リレーコラムについて

変わらないもの

藤曲旦子

 

先月、ホタルを見に地元に帰省しました。

*静岡県三島市では5月中旬〜6月初旬、
街中を流れる源兵衛川でホタルを観測できます。

 

暗くなるのが待ち遠しく、

ふらふらと散歩に出てみたときに

見つけた街の変化をいくつかご紹介します。

 

・・・

 

初めて腕時計を買った店がパソコン教室に。

 

参考書を買っていた本屋が24時間ジムに。

 

大きな田んぼだったところには、
高層マンションが建ち、

 

小学校の中庭に教室が増築される。

 

銀行員と呼ばれていた母校の真っ青な制服は
今っぽいグレーのリボン制服に変わり、
靴下の色も長さも自由に。

 

大好きなおにぎり屋の
のり巻き80円は110円に値上がり。

 

商店街のミシン屋がレトロカフェに。

 

何もないと思っていた地元が観光地に。

 

・・・

 

見つけた変化に

なぜそうなったのか。

こんな声が出たからじゃないかと、

自分なりに想像して、推理する。

 

例えば、

今はネットで買えるし、
大型ショッピングモールもできて、
都会と時間差なく、
流行りのものが手に入るようになったしなあ。

 

とか。

 

わざわざ本だけを買いに行くってより、
ついでに他の買い物もしたいし、
複合施設の中にある本屋に行っちゃうもんなあ。
スマホで読めるしなあ。

 

とか。

 

これが、とても楽しかったのですが

ここからは、まだスッキリできていない謎を
記していきたいと思います。

・・・

 

駅前にある
11:30〜16:00くらいしか営業していない
(しかも不定休)の婦人服店

 

500メートルも離れていないとこに
大型スーパーができたのに
つぶれない街のレトロなスーパー

 

向かいに
広い駐車場のコンビニができても、
客の絶えない小さな商店

 

暇そうに雑誌を読んでいる
店長の姿しか見たことない楽器屋

 

いつ通っても
季節の花が咲いている花壇

 

・・・など。

 

どれも私が子どもの頃から、

変わらずあり続けるお店と風景です。

 

変わることの方が
エネルギーが必要だと思っていました。

 

けれど、

 

変わらないものにも、

人の情とか、意志とか、
無意識の戦略とか、深いつながりとか、
オリジナリティとか。

 

時代や環境変化では説明できない、
大切なことが隠れているのでは。

と思うようになりました。

 

実家でいうと

テレビも、冷蔵庫も、洗濯機も

私が住んでいた頃とは変わったのですが、

 

リビングの時計だけは、変わらない。

 

聞けば、母が自力で修理し続けているとのこと。

なぜ、そこまで大切にしているのか。

 

 

新婚旅行で買ったものだから。

 

 

でした。

 

 

時間は流れているから、
大抵のことは、変わっていくはずです。

変わらなきゃいけなくなってくる、のかもしれません。

 

それでも変わらないものには、

きっと「あえて」

変えないことを選択している人がいる。

 

その理由を知ったうえで、
時代に合わせて変えることができたら、
きっと、もっと長くあり続けることが可能になって、
たくさんの人をしあわせにできるのかも。

 

そんなことを思います。

 

あれ、このコラムなんの話でしたっけね(笑)

 

社会人10年目です。
変わったこと、変わらないことありますが

この仕事を変わらず続けられていることにも、
きっと、自分なりの理由があるはず。

 

その話は、次のコラムで。

 

私のスカスカな辞書に、
いつも知らない知識や言葉をくださる
大先輩の小川祐人さんからバトンをいただきました。

・・・

大変な局面でも芯の折れない、
頼もしいコピーライターです。

・・・

小川さんがコラムの
最後に書いてくださった身に余る紹介文。

小川さんを嘘つきにしないためにも
精進せねばと思います。

 

頂いたバトンと言葉を胸に、
一週間つながせていただきます。

 

よろしくお願いいたします。

 

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