リレーコラムについて

トンネルを抜けた先

河口泰子

数年前、いつかTCC会員になってリレーコラムが回ってきたら
あんなことを書くぞ、こんなことを書くぞ、と妄想していた時期があります。

今回バトンが回ってきたので、そのまま使えるかな?と思い
読み返したらあまりにもその…
ほんとに青くさいと言うか情けないというか、
とりあえず世に出せたもんじゃなかったので全ボツにしたのですが、

あの頃、それほどに憧れていたことを今できているのかあ、と、
不思議な感慨があるような、いや、思ってたよりもまだないような…

 

うーん。夢が叶うというと大げさですが、
何かが叶うときって、意外とグラデーションなものですね。
宝くじみたいにゼロヒャクじゃない感じ。

こういうの書く頃にはもっといろいろ日々にも余裕が生まれて、
すべてを超越したスーパーシゴデキウーマンになっていると思っていたのですが、
全くそんなこともなく、今も、

明日の案出しどうしよう(泣)とか、
また寝落ちしてしまった(泣)とか、
私滑り倒してる気がする(泣)とか、

ただただ妄想リレーコラムを書いていた頃と地続きの、
今はまだアレですがいつかしっかりした人間になります!状態の自分がいるだけです。

 

私が新人賞をいただいたとき、我がセカンド師匠の嵐田さんはこう言いました。
(セカンドというのは、決して優先順位の話とかではなく、
お世話になった時期の順番の話です)

「いやーしかし河口さん。トンネルを抜けた先は、トンネルですよ」

やっと少しトンネルを抜けたか…?状態の若者に、まさかのネクストトンネル情報。
そう語る嵐田さんは、本当にトンネルの中にいる人間にしかできない、
暗い暗い目をしていました。
トレードマークの明るい金髪とのギャップが、今でも妙に焼きついています。

 

トンネルを抜けた先は、トンネル。
たしかに本当にその通りで、
絶望のような、けどそれはそれで希望のような。

私は相も変わらずトンネルの中でどかどかぶつかっていて、
けどそれは、私にはそうは見えない師匠たちも変わらずそうで、
だからこそ、たまの光を眩しく感じられるという幸福をもっているのだなあと、

…なんだか、ちょっといい解釈をしようとしていますね
(こういう書き手のエゴはバレるものです)

 

けどまあ、なので、いつかまた光を浴びられるように頑張ろうと思います。

日々阿鼻叫喚しながらでもいいから、
ちゃんと面白い広告、つくれるようになりたいです。
その結果、誰かにいいね〜とかありがとう〜とか言われたいです。
(結局主語が自分なところがまだまだですが…)

頑張ればごくたまに、そういうことがあるはずなので…
しかもその頑張るが、シャカリキ根性論だけじゃなく、
ときどきのびのび楽しかったりもする…

なんてありがたいお仕事なんだろうと思います。

 

などと、結局、青くさいし情けないリレーコラムになってしまいましたが…
書けるだけ書き残して、またいつものトンネルに戻ります。

…ああ、月曜日の案出しどうしよう(泣)

 

来週からは、この方が書きます。
組織のすごすご先輩で、光栄ながらTCC同期でもある…

ジャカジャカジャカジャカ、ドーン。
大平尚明さん!通称、大平さんです!

豪快で、けれど細やかで、
その眼鏡は常に、世の中を反射させている…

兄貴みがありますね。
どんなコラムを書くのか気になりますね。
楽しみです!

NO
年月日
名前
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