カンヌから持ち帰ったもの
大好きな先輩が、
自腹でカンヌに行ったあとに大活躍されていたのを見て完全に影響され、
去年のカンヌに自腹で行きました。
様々な学びや刺激はもちろんのこと、
かなり苦労して日本に持ち帰ってきたものがあります。
ファンシー系ドンキみたいなカンヌの雑貨屋さんで
狭い棚の一番上に置かれていたラバランプ。
ゆらゆらと形を変えながら上下する溶岩が
生きているみたいで可愛くて、
「連れて帰らねば」と即購入しました。
箱がデカすぎてスーツケースに入らなかったので
手荷物として持って帰ろうとしたところ、
検査場でにこやかな職員さんに制されました。
「液体物は持ち込めません」
そこで初めて、
このゆらゆらが不思議な溶岩ではなく
パラフィンワックスという油の塊で
水と混ざらない特性により
上下していたことに気づきました。
この溶岩を、ガジュマルやマリモ的な
ちいさな命として捉えていたため
まさか本体が油で、周りが水だとは考えもしませんでした。
文系だからでしょうか?
慌ててパッキングサービスに駆け込み、
いくらかわからない額のユーロを払って
赤いビニールでぐるぐる巻きにしてもらい、
いくらかわからない額のユーロを払って
預け荷物のほうへ送り出しました。
ちなみにその間、スマホやiPadなど
パスポート以外のすべてを手荷物検査場に置き忘れたまま戻れなくなり
一時、手ぶらでコンビニ行く地元民よりも身軽な姿で
ニース空港をさまよっていました。
行動を共にしていた同期のまいまいには、
多大なるご迷惑をおかけしました。
羽田空港のベルトコンベアの上、
ゴツいスーツケースたちに潰されることなく運ばれてきた
ちいさな赤い箱を
見つけたときの感動ったらありません。
大事に大事におうちへ持ち帰り
電源を入れてゆっくり眺めながらひと息つこう・・・
とコンセントを見て驚愕しました。
差口の形がぜんぜん違いました。
これは盲点でした。
きっと同じ悲しみを味わった人が作り上げてくださったに違いない、
コンセントの変換アダプタをAmazonで見つけ、
帰国から1週間後ようやく、
かわいいラバランプに電気が通りました。
・・・あれ・・・ぜんぜん・・・
ゆらゆら・・・しない・・・
そう、フランスと日本では
電圧量が違うために、
一般住宅の電気の熱では
溶岩が溶けなかったのです。
こんな物理的なこと、
文系が想像するはずないですよね。
またもやAmazonで電圧変換器を調べたら
明らかに家庭用ではないサイズの10万円以上する工業製品しか出てこず
メルカリで5000円の旅行用電圧変換器を買いました。
届いたパッケージには、
「1時間以上継続使用はお控えください」
「爆発する恐れがあります」
と書かれていました。
海外ネット民いわく、
ランプが温まり油が溶けるには50~90分ほど必要です。
寒い冬だと10時間かかることもあるそうです。
やっと溶けたとして、爆発するかもしれない部屋で
ランプを眺めながら心が癒やされるはずもなく
2回ほどつけて溶岩がゆらゆらしたのを確認してからは
一度も使用していません。
これから海外で電化製品を買うみなさま、
電圧とコンセントをチェックしていきましょう!
それと、このランプかわいいな〜と思ってくださった方、
もし安全な電圧変換器をお持ちだったり、
フランスに住む予定がおありでしたら、
お譲りしますのでご連絡ください!
(その時はもちろん、きれいな状態でお渡しします)
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