インフルエンザと蒟蒻
年末に罹ったインフルエンザもとりあえず治って
3kg減った体重を元に戻そうか、
いや、インフルエンザダイエットだと考えてこのまま維持しようか、
などとアホなことを考えていたある日。
玄関の隅っこでスーパーの袋に入った蒟蒻を発見しました。
おお、懐かしい。きみは正月のおせち用の蒟蒻ではないか?
年末から正月にかけて私がインフルエンザに罹り、
我が家はおせちを中止したのですが、
とはいえ、すでに準備を始めてしまっていたものは
そのまま進めるしかありませんでした。
管楽器のような音を立てる喉と喘息のような咳に喘ぎながら
私は肉を焼き、また別の肉を煮て潰し、ニシンを炊き、
鯛のアラからそぼろをつくり、
小鯛笹漬けの食べきれない分を一夜干しにしたりして
正月の食料を処理したのに
賞味期限が長い蒟蒻は「あとでね」と挨拶したきり忘れていたのです。
そも買ったときの袋から出してないことが申し訳ない。
さて、この蒟蒻をどうしよう。
正月のおせちのときは、
厚手の蒟蒻一枚が三枚になるように薄切りにして、
裏表に切れ目を入れて、油でじわじわ揚げて水分を抜いて
味が染み込むようにじっくりと炊きます。
それって、いまやるには面倒じゃない?
言い訳のようですが、この蒟蒻を発見したとき、
私のインフルエンザはひとまず治っていました。
治ってはいましたが、関連する難儀は続いていました。
まず、病中は食べる意欲がゼロになっていたので
体力が驚くほど落ちていたこと。
次に飼い猫の楽浪(ささなみ)さんが風邪をひいたこと。
楽浪さんの風邪はあっさり治ったけれど、感染した老猫の大王が
やはり病中に食べることができずに危険なほど体重が減り、
風邪は治っても「自力で食べられるようになるかどうかが勝負」
という状態になってしまったこと。
そんなややこしいところに出てくるなよ、蒟蒻。
結局のところ、蒟蒻はあまり面倒なことをせずに
薄切りにしてごま油で炒りつけてお惣菜に。
これはこれでおいしいからいいのですが、
正月の晴れ舞台のつもりだった蒟蒻には気の毒でした。
それ以来、正月用品が思わぬところに残ってないか
気にしながら暮らしていると、
わああ、冷蔵庫の奥から塩出ししていない数の子が出てきたああ!
いろんなところから消化しきれなかった正月が顔を出します。
野菜はまだ買っていなかったのが幸いでした。
すでに買ってしまっていた里芋は炊いて食べ、
慈姑は食べずに水栽培しています。
正月の食材を処理しながら猫の看護をし、
インフルエンザと戦う日々はなかなか過酷でした。
明日は飼い主のインフルエンザに付き合って風邪をひきやがった
二匹の猫のお話、「インフルエンザと猫」です。
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