リレーコラムについて

120秒

石井克哉

120秒。
さて、あなたにとって長いですか?短いですか?

私はいつも、
TVCMやラジオCMのオリエンの時、

「120秒で」

と言われると、プレッシャーを感じ

「長っ!」

って思っちゃうんですが、逆に

「短っ!」

って感じた瞬間がありました。

それは、息子の出産に立ち会った時。
(というか、結局、立ち会えなかったんですが)

約2年前、ちょうどコロナの勢力が増してきて、
病院も厳戒態勢を敷き始めていたため
予定していた立ち会いは、N Gに。

結果、手術室近くの控室でひとり待つことになりました。

うろうろ、うろうろ。
おろおろ、おろおろ。
うとうと、
って、寝ちゃいかんだろ。
そしてまた、うろうろ…。

数時間後、
ひとりの看護師さんがダッシュで現れ一言。

「無事、生まれました!」

ありがとうございます!
って言う前にまた一言。

「カメラの準備を!!!!!」

え?何??どういうこと??

って動揺してる間に看護師さん走り去り
数秒後、
クリアケースを運びながら現れまた一言。

「はい!お父さん!!!!!」

 

・・・え?お父さん?あ、俺か!何?あ!

クリアケースの中には初めて見る息子の姿が。
じーっと見つめる間もなくまた一言。

「写真、どうぞ!!!!!」

促されるままスマホで

「パシャパシャ!」

って数枚撮ったところで

「はい!では失礼します!!!!!」

一瞬で、息子は運ばれていきました。

呆然。

その間、約120秒。

アイドルの握手会で、
強制的に引き剥がされる気分でした。
行ったことないけど。

家に帰って見てみると、
ほとんどがピンぼけの写真で
まともに撮れたのは、奇跡の1枚だけ。

退院後の妻に「…使えない」と冷たい一言を
浴びせられることになろうとは、
そのときの私は、
まだ知るよしもなかったのでした…。

120秒、それは永遠であり一瞬である。

・・・????

一見いいこと言ってる風に
閉めたかったんですが、
無理でした、なんかすみません。

でも、あの120秒が、
人生最高の一瞬だったことは確かです。

NO
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