リレーコラムについて

間の友は、言葉さん

丸原孝紀

昨日のコラムで「間の存在」に妙に惹かれることを書きました。考えてみると、コピーライターというのもまた、間の存在と言えるのではないでしょうか。クライアントの依頼を受けて商品やサービスを生活者に好きになってもらう企画を、言葉を軸に考える。ざっくり言うと、コピーライターはそういう仕事をしています。クライアントと生活者の間にいるからこそ見出せる価値によって、市場をつくる。そういう意味では、コピーライターだけではなく、広告業そのものが間の存在ではありますが。

そして私の場合は、クライアントと生活者の間に加えて、広告と社会の間で仕事をしています。以前のコラムでも書きましたが、広告会社の中にクライアントの社会的な活動を伝えたり、新たな事業をサポートしたりする部門「POZI」を立ち上げて仕事をしているのです。

「どんな仕事をしているんですか?」と聞かれたときには困ります。営利的な活動をしている人たちと社会課題に取り組む人たちを企画でつなぎ、社会課題の解決を一過性の慈善ではなくビジネスとして持続可能にしていくお手伝いをしている、のですが、ひと言ではなかなか。

具体的なプロセスとしては、まずは聞くことに時間をかけて、課題を整理した上で目的を明確にし、その目的を達成するための手段としてのコミュニケーションプランを立案し、人をつなぎ、実行する、ということになります。コピーは最後の最後なのですが、実は最初から最後まで道具として使っているのは、「言葉」です。

言葉を使って理解を深め、言葉を使って目的を明確にし、言葉を使って企画をし、言葉を使ってディレクションをして、言葉を使って共感をデザインする、を、繰り返しています。

現在、名刺の肩書きは「サステナビリティ・プランナー/クリエイティブ・ディレクター」。コピーライターだけのときと比べて、マス媒体でアウトプットする仕事は少なくなってはいます。しかし、舞台が変わっただけで、言葉を軸に企てているという意味では、やはり私はコピーライターなのだなあと思います。

クライアントと生活者の間で、ビジネスセクターとソーシャルセクターの間でうろうろ働く私は、間の存在としての寄る方のなさにもがくこともしばしば。ときどき間の闇に吸い込まれそうにもなるのですが、その度に救いとなってくれるのが、言葉です。言葉は、仕事の道具ということを超えて、もはや仲間、相棒です。

そんな相棒を、大切にできているだろうか。自信はないですが、自問し続けようと思います。

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