リレーコラムについて

時間が、あなたをコピーライターにする。

早坂尚樹

「自信がなくてコピーライターと名乗れない話」
共感しました。
「書いたコピーを“文言”と言ってしまう」の、
自分もなんです。

何人かの後輩や、社外の方に
「昔のコラム、読みました」と言われた。

書いたのは、7年前。

先輩に名前を覚えてほしい
とショートストーリーを書いたり、
青臭いことを書いたりしていたのだけど、
時間差で、読んでくれていた方がいたらしい。

意図したことではなかったが、
過去の葛藤や吐露が、
数年後、誰かの背中を押しているなんて
これほどうれしいことはないと思った。

「これは、私のことが書いてある。」
そう思ってもらえたとき、
言葉は届くのかもしれない。

思えば言葉は、
不思議なことに
個人のことを、個人に向けたほうが、
みんなのものになることがある。

おそらくそれは、言葉に重心がのり、
生きた言葉になるからなんだと思う。

実感のないものは
どうしても概念的で、ふわっとしてしまう。
遠くまで、届かない。

だから今回の5つのコラムは、
意識的に個人の話を書いた。

後輩のあなたのために。

コピーライターと名乗る、
自信のないあなたのために。

何を言っても、
お前が恵まれていただけだろと、
思われるかもしれないが、

止まらなければ、進んでいく。

時間が、あなたをコピーライターにしてくれる。

僕はもう、あの頃のように、
自信なさそうには言わない。

実力は、まだまだ先輩方には及ばない。
それでも、コピーライターになれたとは言い切れる。

賞をとったからではない。
面白いものを書けたからでもない。

苦しんだ時間が、
教わった時間が、
その意識を生んでくれたのだと思う。

以前、磯島さんに
コピーライターとしての不安は、
いつ頃から消えましたか。
と伺ったことがある。

「みんなが待ってくれるようになるんですよね。ある時から。」とおっしゃっていた。

コピーライターは、
ひとりでいきなりなれるものではなく、
仲間から認められ、
周りにそう呼ばれていくものなのかもしれない。

そのためにも、
時間はいるのだと思う。

今は結果を早く求められているから、
早く結果が出るものにすがりたくなる。

新しいことがもてはやされるから、
新しいことをはじめたくなる。

でも、ここまで来たら、
僕は、もう焦らない。

あと10年は、もぐっているつもりだ。

20年。
キャリアを重ねたそのときに、
活躍できるように。

時間が、あなたをコピーライターにしてくれる。

ーーー

次は、今年新人賞を受賞した、
高階壮秀くんにバトンを渡します。

研修で出会った頃から、
愚直に努力し続ける人でした。

その姿を知っているだけに、
今回の受賞は本当にうれしいです。
改めて、おめでとう!

ということで、よろしくね。

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