リレーコラムについて

南関そうめんについて

北川譲

「ほら見てください。針の穴に通せるほど細いんですよー。」
子どもの頃にテレビで取り上げられていたことをうっすらと覚えています。
いやそれは針の穴の大きさによるんじゃないか、とも思いましたが、
ふるさとがテレビに映って誇らしい気持ちになった覚えがあります。

南関あげと双璧をなす地元の特産品「南関そうめん」。

針の穴に5本も通せるほどの極細麺でありながら、
噛んだ時に撥ね返してくるようなコシの強さが特徴。
何と言ってもその最大の特徴は、日本で唯一、
すべての工程において一切機械を使わない、完全手づくりであること。
機械化どころかDXの時代に何という頑固さでしょう。

南関町のホームページによると、その歴史は約300年前にさかのぼります。
小豆島のそうめん職人が旅の途中この地に立ち寄ったところ、
大変親切にもてなされた恩義から、その製法を伝えたそうです。
その職人さん、いったいどれだけすごいおもてなしを受けたんでしょうね。

かつては徳川将軍家や明治天皇にも献上された南関そうめん。
今ではわずか10軒の製麺所が残るのみとなってしまいました。
生産量がとても少なく、幻のそうめんと言われています。

さて、その南関そうめん。実は私、ほとんど食べたことがありません。
毎年夏になると、姫路の親戚から山ほど「揖保乃糸」が送られてくるからです。
結婚してからは妻の実家から大量の「島原手延べそうめん」も届くようになりました。
私にとって南関そうめんは、ますます幻のそうめんになっています。

南関町の誉れ「南関そうめん」を、どうぞよろしくお願いします。

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