リレーコラムについて

初めての手ごたえ

水野百合江

3月になるのを待っていたかのように、
きのうから暖かくなりましたね。

目がかゆすぎて、
くしゃみと鼻水で頭がぼーっとして、
判断能力が落ちているのを感じます。

 

少しだけ、
自分のコピーライター人生の変遷とは、
別の話を。

私はお酒がめちゃくちゃ好きです。
とくにビールが。

夜景を見下ろす高級ホテルのラウンジでも、
下町のビールケースをひっくり返した椅子の上でも、
自宅で飲む缶ビールでも。

いつどこで飲んでも、
金額に圧倒的な差がなく、平等においしい。
こんなお酒、ほかになくないですか?

ダイエットにもおすすめです。
炭酸でお腹が膨れるので、たくさん食事が入りません。
低GI飲料なので、血糖値の上昇スピードが緩やかです。

仕事で疲れているときに飲むビールも最高です。
麦芽とホップの香りは、
カラダをリラックスさせてくれ、
苦味と刺激はストレス発散に有効だそうです。

あと、「くぅ〜っ!」と言うと、
さらにおいしく感じませんか?
カ行は無声軟口蓋破裂音と言うそうです。

「く」と発音しようとすると、
喉を絞る。
ビールの炭酸が喉に流れ、
破裂する刺激をいちばん感じられる。
息をはく。
ビールの香りが鼻に抜ける。

自然と人がビールを満喫するために
発する言葉なんだろうなと、
勝手に結論づけてみました。

 

***

さて、ビールへの愛を語れたところで、
元の話にもどります。

コピーライターとして入社した、
当時のキューは、よく終電をすぎても皆会社にいて、
会議室に寝袋を持ち込んで、寝ている人もいました。
証券会社にいた時は考えられなかった働き方です。

でも、楽しかった。

アイデアを考えることが仕事になるって
こういう感じなんだ。
コピーを書いて、給料がもらえるなんてすごい。
そんなふうに、毎日、大変なことがありながらも、
働かせていただきました。

広告業界でがんばっていけそうだと思えたのは、
キューのおかげです。

そんな中、プロとしてまた講座を受講したら、
これまでとはちがう学びがあるのではないか。と考え、
通うことにしたのが、
谷山さん、井村さん、吉岡さん、照井さんの
専門クラスでした。

 

講座での成績は、
とくに上位というわけでもなく、
まん中(より何ならすこし下)。

ただ、卒業制作は別でした。

4つのチームに分かれ、
実際のクライアントに提案する広告を
制作するのですが、私は谷山チーム。
谷山さんから、一対一の指導が入ります。

コピーを書いて、アドバイスをもらって、
また書く。その繰り返し。

「もっと読む人へのサービス精神をもって。」
「普通のこと書いても仕方ない。」
「たたみかけるように。」
「昔の〇〇という広告がイメージに近い。」

具体的な指示を手がかりに進めていくと、
コピーを書いていて初めて、
「あ、書けたかも。こういうことかも。」
と感じる瞬間がありました。

真夜中に、一人暮らしの部屋で、
考えていた時の情景まで覚えています。

 

そうしてできた広告は、運よく、
講座の中では評価いただくことができました。
ただ、クライアントには選ばれず、
日の目を見ることはありませんでした。

コピーでこんなにくやしいと思えるだけで、
すごい進歩だよな、、と考えながらも、
くやしかったです。

 

そして、これをきっかけに、
(いろいろあって)
谷山広告に入社することが決まりました。

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