リレーコラムについて

人の夢は終わる

竹田芳幸

この1年と昔の夢の話をします。

僕の所属は電通デジタルという会社なんですが、
昨日まで1年間 電通という会社に出向してました。

電通で働くのが僕の夢でした。

僕が広告の世界を知ったのは大学3年の就職活動のころ。
電通という会社を知って、そこを目指そうと思いました。
インターンの試験に書類で落ち、
就職試験は1次面接で落ち、
その夢はあっさり終わったかに見えました。

ただ、まあ想定内でした。
うちの大学から新卒で入るなんてほぼ不可能。
だからいつか中途で入るんだと思っての就職活動でした。
その一心で広告業界に潜り込み、
最初は営業として、その後コピーライターとして働いてきました。

いつか電通で。
(いや正確には電博で 博報堂も1次落ちでした)
という思いをもって働いてきました。

いくつかの会社を経て、
師匠の小西さんのもとで鍛えてもらい、TCC会員にもなりました。
そして、この想いを小西さんにも理解していただき、
4年半前に電通デジタルに移籍しました。

そして、この1年の出向でした。
少しづつ夢に近づいているような気がしていた10数年間。

でもその夢は昨日で終わりました。

出向と所属は違います。
できれば転籍したかったけれど、それは叶わない願いでした。

じゃあ、もう会社を辞めて
0から電通or博報堂への転職活動をしようとも思いました。

でもその勇気はなかったのです。

勇気のない僕は、何かがプツンと切れてしまいました。

広告クリエイティブへの想い。
努力。粘り。気合い。命がけ。
そういうものから解放されたような気もします。

ということで、これからは、
裏方として、広告クリエイティブのサポートや
人材育成をやっていくことにしました。

クリエイティブは少しだけ。
自分が役立てる範囲のクライアントワークも
やっていきたいですが。

「今僕のいる場所が 望んだものと違っても
悪くはない きっと答えは一つじゃない 」
とミスチルのAnyの歌詞を自分に言い聞かせて
分岐した別の道を歩いていきます。

あっ、TCCは辞めませんよ。
むしろ、この活動を通じて
広告へコピーへ、恩返しができたらなと思っています。

以上。

いろいろな批判もあるかと思いますが、
竹田芳幸のダサくて小さな夢の話でした。

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