リレーコラムについて

コロナから10年後の世界 B

日下慶太

コロナウィルスが世界で猛威を振るっている。ワクチンは未だ開発されず、多くの人が死んだ。世界はロックダウンを繰り返した。経済は大減速し、このままではすべての国が共倒れになると、経済活動を強引に再開した。感染をあえて止めずに、集団免疫を獲得する方針へと転換した。世界で初めてこれを採用した国の名前をとって「スウェーデンモデル」と呼ばれている。

日本では、東京、大阪など、大都市の人間から免疫を獲得していった。人口の少ない場所では集団免疫が獲得されにくいため、人々は都市部へと移動した。都市部の高齢者は感染すると重症化するリスクが高いので、地方へと移動した。地方の老人たちは地元にとどまった。都市部は若者/地方は老人という以前からの図式はコロナウィルスによってさらに加速された。しかし、これは「強制移動である」と一部のグループは、誰もいない山間部に移住してコミュニティを作っている。

感染者の20%は症状が出る。それは防ぎようがない。その場合はすぐに専門の病院へ収容された。病院を増やすために閉業したホテルを政府が買い取り、コロナ専門の病院に改築した。医療関係なら食いっぱぐれないと、不況による就職難もあって医療従事者の人数が大幅に増えた。

一度、コロナに感染したとはいえ、また感染する可能性もある。感染回数が多いほど免疫を獲得する可能性が高い。したがって、人々は感染回数によって区分された。”1st”は1回感染経験あり、”2nd”は2回感染経験あり、と記載された感染証明書を携帯しなくてはいけない。以下のように移動条件も決められた。

0:都道府県内の移動が可能

1st:日本国内ならどこでも移動可能

2nd:世界の一部で移動可能

3rd;世界中どこでも移動可能

※ただし、感染を獲得する/避けるための移住であれば”0”でも国内ならば移動可能

これは世界共通の指標となった。例えば、アメリカおよび西ヨーロッパは”3rd”以上でなければ入国できなかった。数が多いほど社会では優遇された。就職活動においてもほとんどの企業は”2nd”以上の学生しか採用しなかった。親は子どもの将来を思って、感染させようと熱心だった。夏休みには参加者を感染させるための「コロナキャンプ」が人気となった。あえて子どもを感染させるということは社会問題にもなったが、子どもは重症化が少ないということで、今では一般化してきている。

ちなみに、私は、”2nd”である。一度目はコロナキャンプから帰ってきた子どもから、二度目は会社の忘年会でてっちりを食べて感染した。ラッキーなことに両方微熱だけで済んだ。もう1回感染したいとは思っている。あまり多くはないが海外出張もある。世界中を旅行したい。とはいえ、決して若くはない。次に感染して万が一重症化してしまったらと不安である。貯金も切り崩せない。もう、”3rd”は諦めて、早期退職して地方に移住してしまおうかもと思っている。

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