リレーコラムについて

コピーと短歌は似ているか?違うか?

御倉直文

また、短歌の話になってしまう。ちょっと真面目な話になるかも。

 

短歌をはじめた理由のひとつに、

コピーに似ているんじゃないかという、

安易な気持ちがあった。

短歌は、五七五七七、三十一文字。

キャッチフレーズも短い言葉でつくられる。

 

短い言葉の表現という意味では似ているのだが、

コピーのつくり方が、そのまま短歌の世界に通用するものでもない。

いま、そう感じている。

 

コピーと短歌は似ているか?違うか?

これ、コピーライターだった私の中に、いつも、ある。

 

「この歌、コピーっぽいね」と言われると、

すごく凹んでしまうのは、なぜだろう?

 

コピーと短歌の違う点。

最も大きいと思うのは、

コピーはオーダーされるものだが、短歌は自発的なものである。

コピーは、まず企業があって、商品があって、オリエンがある。

そもそも課題が設定されている。

その課題を、どう分析してどう表現してどう解決するかが勝負になる。

短歌は、テーマはなんでもいい。詠む人に任されている。ナンデモアリ、なのだ。

 

ものすごく簡略して言ってしまうと、

コピーは、ビジネス。短歌は文学。なのかもしれない。

 

ある時、「あなたのための短歌集」という本に出会った。

ジーンとくる、グッとくる、そういう歌がいっぱい載っていた。

ある個人が歌人に短歌を依頼し、歌人はその人の話をいろいろ聞いて、一首つくる。

そういういろんな人の、いろんな人生を、短歌にしている。

いろんな人生が一堂に集まったような短歌集なのだ。

すごい!と、思った。

と同時に、

これは広告ではないか。

広告的手法が生かされているではないか。

短歌の世界にはなかった、ひとつのビジネスモデルではないか。

と、感じた。

 

こういう短歌のつくり方も、アリだよね。

これは、新しい短歌のつくり方だよね。

 

まったくの門外漢が短歌に出会い、

悩んで、つくれなくて、

あーでもないこーでもない、

つくり直しつくり直し、

深ーい沼にはまっている最中の私にとって、

なんか光というかヒントを与えられたような気がした。

 

依頼されその人生を一首にす あなたのための注文芸術   御倉直文

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