リレーコラムについて

クライアントを出世させろ。

田中大地

どうも、TCCのはじっこで

クリエイティブディレクターをやっています、

田中大地と言います。

 

昨日は失礼しました。

 

いい機会なので、

ほかの方がどんなコラムを書いてるのか

ガガッと拝見させていただいたのですが、、、

昨日のぼくのはちょっと長すぎたみたいで、

まじハズいです。

 

「トイレ休憩」とか言って、スベってました。

「ツイッター休憩」とか言って、事故ってました。

 

でもま、自分の人生の中で

とても大切なエピソードだったので、

長くなるのも仕方ないじゃないですか。

それが人の道じゃないですか。

This is the wayマンダロリアンじゃないですか。

 

なのでこのページから見てくれた方は

どうか昨日のやつから読んでいただけると、

いろいろと前段を省けて助かります。

 

では今日も懲りずに、

今の自分の「根っこ」を作ってくれた

小霜さんの言葉を紹介します。

 

きょうは、

「クライアントを出世させろ。」

って話です。

 

———————————

 

その日は、めずらしく小霜さんが上機嫌で、

二人でちょっと高そうな飲み屋に来ていました。

 

「田中〜なんで俺の機嫌が良いか分かるか?」

 

「いや、ちょっとわかんないです」

 

「それはな、俺たちのコピーで、

クライアントの担当者が出世するからだよ」

 

「はい?」

 

「あのな、この先な、」

 

「はい」

 

「お前が独り立ちしてCDになったらな、」

 

「はい」

 

「必ずクライアントの担当者が出世するコピーを選べ」

 

「え?」

 

「クライアントが出世しなさそうなコピーは提案するな」

 

「…?」

 

———————————

 

これを読んでくださってるみなさんも

その日のぼくと同じで、キョトーンでしょうか。

でもこの言葉がけっこーぼくの人生を変えてて。

 

コピーや企画って、

ただ増やすだけなら比較的容易いのに、

1つに絞るのはめちゃムズいですよね。

 

これはその、

良いコピーを選ぶ時の指標の話なんです。

 

いわく、クリエイティブ・ファーストなコピーは

セールス的にハズレる時がある。

でも、クライアント・ファーストなコピーは

結果にハズレがない、と。

 

「いいか田中、クライアントを出世させることに成功したコピーということは、それはめちゃくちゃモノを売り、サービスを広めたコピーであるはずだ。それはつまり、こんな時代でも、広告で人の心を動かしまくったコピーだろ?そんなふうに多くの人の心を動かすことに成功したコピーのことを、“良いコピー”って言うんだよ。事情を知らない評論家が外野から褒める”ポエムコピー”より、間違いなく良いコピーだろ。だから、クライアント・ファーストは、クリエイティブ・ファーストなんかより、よっぽどカッコいい。」

 

っつーわけですよ。

 

なるほどなと。

 

ちなみにこのあたり、

広告業界でも共感してくれる人と

共感できない人がいると思いますが…

どうなんですかね。

この理屈にピンとくるかどうかって

ハンター×ハンターの水見式じゃないですけど、

自分が「クリエイティブ・ファースト系」なのか

あるいは「クライアント・ファースト系」なのか

判別できるリトマス紙だと思っていて。

 

TCCではおそらく

圧倒的少数の後者に属するぼくにとっては、

 

小霜さん、カッケーーーーー!

と、ビショ濡れた言葉でした。

(コラム2日目にして文字をデカくすることを覚えた)

 

と言うことで、その日から真面目なぼくは、

もらったオリエンシートに対峙するとき

「これ書いた担当者が出世するってどんな状況?」

と、儀式のように妄想するようにしてきました。

 

必ず、コピーを書き始めたり、

企画を考え始める「前」に、です。

 

「セールス目標が800万個と書いてあるから、

1500万個くらいドカンと売れたら出世する?」

「ダウンロード数が10倍になったら出世する?」

「CM好感度が1位になったら出世するかな?」

 

そのへんがピンときてから、

「ってことは、それってどんな企画?どんなコピー?」

と、妄想から逆算して考えるわけです。

 

 

いや、まあね、実際には

そんなふうにシンプルに人は出世しないし、

代理店サイドから見えてる情報なんて

ごくごく一部なんですけどね。

 

でもま、

ぼくは小霜さんのやり方しか知らないので、

きょうもそうやって

企画やコピーを書き選んでいます。

 

———————————

 

あ。

 

なんか。

 

ここまで書いてて思ったのですが、

これは決して「クライアントに尻尾を振れ」とか

「魂、売っちゃいなよ」とか

「靴を舐めろ」「ヨイショしろ」「媚びへつらえ」

という話ではないので、誤解なきよう。

 

むしろぼくは、クライアントとよく

ケンカをするタイプのクリエイターです。

いつも営業をハラハラさせています。

 

でも、たとえ一時的に

クライアントと意見が衝突してでも、

結果的にその人が

出世すると信じ切れるコピーを通す。

 

そういうスタンスで仕事をしていますし、

ゴッドが言いたかったことも、

そういう覚悟を持て田中という話だったと

理解しています。

 

だし、なにより小霜さんは、

クリエイティブの魔法を

誰よりもピュアに信じていた人でした。

 

そんなクリエイティブ大好きな

小霜さんだからこそ、企画を選ぶとき

自分の「好き嫌い」で

目が曇るのを回避したかったはず。

 

偉い立場だったからこそ、

「独りよがり」に陥るのを避けたくて、

ある種、戦略的に

クリエイティブ・ファーストではなく、

クライアント・ファーストを

標榜していたのかなぁ、なんて。

自分もCDになってみて、思ったりします。

 

 

———————————

 

ということで。

ぼくがこの世で最も好きな飲み会は

「クライアントの昇進祝い」です。

 

つぎはあの人の番だと嬉しいな。

楽しい妄想です。

 

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