リレーコラムについて

よるって、うちゅう?

小堀友樹

コロナの影響でよかったこともある。息子たちの成長をしっかりと見守れる。

 

あまりにも息子たちの成長を見守れ過ぎるので、実は仕事終わっているのに、妻には仕事をしているふりをして、Youtubeを見守ってしまうくらいである。

 

息子の発した言葉や行動を気が向いた時にメモしている。人が言葉を手にしていく過程がわかって楽しい。

 

例えば、息子は「おいしい」といえるようになった。

しばらくすると、そこに「おいしそう」と推察の概念が加わり、またしばらくするとそこに「おいしいね」と他者への共感が加わった。

 

息子には、まだまだ言葉のサンプル数が不足していて、その言葉がどのぐらいの範囲までを指し示すものなのか、言葉の輪郭線がぼやけている。

 

とある日、息子と散歩していると、急勾配の坂があった。すると息子は突然、道路にぺたんと座り込んだ。

そして、そのまましばらくその場にへたりこんでいた。何をしているのかなと思っていたら、

 

 

「これ すべりだいじゃ ないね~」

 

 

といった。遺産をやろうと思った。またある時は、私が仕事に使う書類を息子がグチャグチャにまるめてしまった。注意したら、

 

 

「けしごむ つかう?」

 

 

とたずねてきた。どうやら息子にとって消しゴムは、「字を消す道具」ではなく「紙をもとに戻す道具」として認識されているようだった。最近の息子の言葉でいいなと思ったのは、

 

 

「よるって、うちゅう?」

 

 

である。言われてみたら確かにそうだ。

夜、宇宙だ。

 

息子が言葉を習得する過程で気づいたこともある。最初に習得する言葉は、すべて固有名詞ということである。

息子と近所の公園に向かう途中、鮮やかな赤い花が咲いていた。私は花の名前に疎いので、息子に「きれいだねー」と言ったら、息子はその花を見るたびに「きれいだねー」というようになった。息子にとって、あの道のあの花は、「きれい」という固有の名前なのだろう。

それ以降、宝石のような甲虫の標本だったり、手袋に積もった雪の結晶だったり、水槽のなかで群れる熱帯魚だったり、なにかきれいなものを見つけるたびに息子にたいして「きれいだね」と言ってきた。

 

 

ある日、息子が空を見上げて「きれいだね」と自ら言った。

 

 

花と空の関連性は、改めて考えてみると、大人でもよく分からない。でも、どちらも確かに「きれい」の枠組みに入っている。いくつかの言葉のサンプルを浴びる過程で、それぞれの言葉がシナプスのようにつながり、抽象的な理解ができるようになるのだろう。

 

息子の「きれい」は、妻や私、幼稚園の先生や友達から譲り受けたものだろうが、私自身の「きれい」もまた、私の親や誰かから譲りうけたものに違いない。遡るとどこまで行くのだろう。ひたいの狭い毛むくじゃらの原人が空をみて、

 

 

「ウホウホ……(きれい)」

 

 

と言ったのがはじまりだったりするのだろうか。そのウホウホが、ラーメン屋の秘伝のタレのように代々つぎたされて息子にまで伝わってきているのだろう。

 

来月3人目の子どもが生まれる。

こんなポエムみたいなことは言ってられない。未曾有の戦場が待っている。

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以上で小堀の担当は終わりです。

TCCのコラムってどういう編集方法なのかなと
思っていたのですが、

他の方の過去投稿を
自由に編集できる仕様でびっくりしました。

その気になれば、
あの超大御所の過去の名作コラムを
全部お下品な投稿に変えることもできるなんて……

会員の皆さんの
善意で成り立っている素敵なコーナーですね……!

来週は礒部建多さんにバトンを渡します。
礒部さんはTCC同期でもあり、会社の同期でもあります。

RED BULLの強烈にかっこいい広告だったり、
デリケアエムズ「股間戦士エムズーン」の強烈におもしろい広告だったり、
素敵なお仕事ばっかりやっている礒部さん。

しかし、あまりきちんと話したことがありません。
一体どんな人なのでしょうか。

無料で姓名判断ができる「いい名前ねっと」によると
このような結果が出ました。

 

 

参考)https://enamae.net/

 

総格44の礒部建多さん。

 

さん
(せっかくなので最大の級数でカラフルにしてみました)

 

身長が確か273cmくらいあったと思います。

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