498
マキシムインスタントコーヒー 冬の人 90 N:街に暮らす人々は
いつも小さいことから
季節の移動を感じとる。
格子状のダクトから出てくる空気が暖かくなっている。
金属でできたドアのノブが
手のひらにひんやり感じるようになる。
起きぬけに選ぶレコードのテンポが
ゆっくりしたものになる。
短い時間ではあたたまりきらない
朝のキッチンで
彼女は一人で立ったまま
コーヒーを飲んでいます。
あわただしいというのではなく
冬の朝の短い寒さを楽しむように
彼女は立ったままお湯を沸かし
少し濃いコーヒーを飲んでいます。
寒いから厚着というのではなく
それだけ選ぶことのできる服が
増えたということを楽しむ
そうして最後に選んだ紺色のコートを
肩にかけたまま
彼女は立って飲む。少し濃いコーヒーを
短く楽しんだ。
こんなに飲みやすい
ニューフリーズドライコーヒーマキシム
あなたが飲んでいたコーヒーはマキシムだった。

NO.8975

広告主 味の素ゼネラルフーズ
受賞 新人賞
業種 食品・飲料
媒体 ラジオCM
コピーライター 川口清勝
掲載年度 1987年
掲載ページ 374