偉大なる同志へ。...

偉大なる同志へ。 　「小雨のなか”世界のお祭り”開く
この迫力緊張感に胸がキューッと
強豪ブラジル、防戦一方」

　74年Ｗ杯開幕戦、ブラジル対ユー
ゴスラビアの試合を記事にぶつけた
あなたは、その後10大会もＷ杯を取材
すると思っていただろうか。

あなたは、90歳の今でも、サッカー
少年だ。

医者に行くより、サッカーの生中継を
優先する。記憶に頼らず、足で取材す
る。ひとりの選手の技術を、どの記事
よりも鮮明に言葉で表す。決して偉ぶ
らず、後輩のことも、同じサッカーの
愉しみを売る”サッカー仲間”と呼ぶ。
世界中の選手やサッカー関係者たちを
愛し、それ以上に愛されている。

　そして、きょうも試合に出かける。
サッカーを観たいから。観ることが、
書くことだから。書くことが、日本の
サッカーを強くすることだから。

　3年後のＷ杯も観に行くという。その
時93歳7カ月。Ｗ杯を取材する、史上
最年長記者になるなぁと笑う。

　あなたが働くことは、日本を勇気
づけること。まだまだ仕事はたくさん
ありますよ。

　明日も、明後日も、3年後も、大好きな
サッカーを観に出かけ、書き、伝えつづ
けてください。そんなあなたの背中を、
私たちは追いかけつづけるから。