資生堂パーフェクトルージュ
/戦火と口紅 120秒 若い女性の声:
その古い口紅は、
私に、
何か語りかけているような気がした。
     
M:
♪~

若い女性の声:
小指の先ほどの容器に、
真っ赤な紅先。
昭和19年というから、およそ70年前。
戦時中で金属が不足していたために、
容器は木で作られている。
軍需工場で働く女性のための
特別配給品ということ以外、
詳しい記録は、何一つ残っていない。
戦争末期の過酷な時代。
ほとんどの化粧品は製造を禁止されていた。
化粧して人前に出ることなど
許される社会でもなかった。
さらに、学徒動員などで、
若い男性は戦地に駆り出され、
ひそかに恋をする相手さえ、
いなかったはずなのに。
生きるための食糧さえ貴重な時代に、
彼女たちは、一本の口紅を望んだのだ。
この年の12月、
大規模な本土空襲が始まり、
翌年、戦争は終わる。
そして今、
当たり前のようにメークをして、
仕事に出かける。
そういう毎日を、
特に幸せだと思ったこともない――
そんな私にも
少しだけ、わかる気がするのだ。
その小さな口紅が、彼女たちにとって
どんなに大切な宝物だったのか。
何を願って
そのあざやかな紅色を見つめていたのか。
ほんの少しだけ、わかる気がするのだ。
いのちは、赤い。
資生堂 パーフェクトルージュ。

NO.86512

広告主 資生堂
業種 化粧品・薬品・サイエンス・日用雑貨
媒体 ラジオCM
コピーライター
掲載年度 2014年
掲載ページ 214