へーベルハウス
2.5世帯ものがたり~第2話~
姉の圧縮と現金な願い。 「姉の援助はいかほどだろうか?」

実家が近づくにつれ、僕の由紀子姉さんへの願いは、さらに現金なほうへ向かって
いた。両親と姉と僕の家族で同居する「2.5世帯」。その提案に賛成してくれたら、
姉はいくら資金協力してくれるだろう?派遣社員ながら、三十八歳という異例の
若さ(本人談)で食品会社のプロジェクトリーダー的存在に最も近いと一目置かれて
いるらしい姉。三十八歳には見えない美貌(本人談)で飲み会でも人気者らしい姉。
実家暮らしだし、貯えはあるはずだ。・・・って僕は何を打算してるんだ。まずは
前向きな同意をえることだろ。「いい?パパが毎日お皿洗い、ゴミ出し、ママの
お肩もみしてること。おじいちゃんに言っちゃだめよ」「は~い」妻は後部
座席の子どもたちと入念な約束ごとをしていた。実家に着くと、姉は玄関の外
で私たちを出迎えてくれた。「翔太も、春香も、大きくなったね~」ギュッと抱き
しめられる子どもたち。この人はいつも甥と姪をわが子のように可愛がってくれる。
姉さん、この家を「ヘーベルハウスの2.5世帯住宅」に建て直さないか?大好きな
この子たちといつでも遊べるんだぜ。両親の心配だって一人で抱え込まなくていい。
それにローンなら共働きの俺ら夫婦で組むし。姉さんは少々、もといそこそこ
やっぱりそれなりに、頭金か家賃を援助してくれれば充分だから。2.5世帯では
そういう協力の仕方が一般的らしいよ。そんなことを考えている間に、姉と子ども
たちが、手をつなぎながら実家へ入っていく。「いくつになったの~?」と姉。「六
さい~」「よっつ~」「ゆきこおばちゃんは?」「由紀子おネエさんは三十ちょい
かな」くどいようだが、姉は三十八である。八年という長い歳月を”ちょい”の
ひと言に圧縮したが、子どもにウソはついていない。

(明日予定の広告紙面に)つづく

2.5世帯住宅で、暮らしませんか?

NO.85411

広告主 旭化成ホームズ
受賞 最高新人賞
業種 精密機器・産業資材・住宅・不動産
媒体 新聞
コピーライター 吉岡丈晴
掲載年度 2013年
掲載ページ 57