企業「父と娘のクリスマス」 120秒...

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「父と娘のクリスマス」 120秒 NA（娘）：
彼氏ができた。初めての彼氏。
ずっと片思いしていた人に、
勇気を出して告白をした。
悪いことなんてひとつもしていないのに。
お父さんには言えなかった。
言えないまま、イブになった。

M：
♪～（父の鼻歌
「we wish you a merry christmas」）

父：
ん？どっか出かけるのか？

NA（娘）：
お父さんは朝から上機嫌で、
パーティー用の帽子をかぶっていた。

父：
早く帰ってこないと、
お父さんがごちそう全部たべちゃうぞお。

娘：
…いいよ

父：
え？
食べちゃっていいってば。

父：
知らないぞお！本当に食べちゃうからな！

NA（娘）：
いいかげん気づいてよ。私はもう
子どもじゃない。おしつけないでよ。

SE：
バタン

NA（娘）：
彼が連れていってくれたレストランは
すごくオシャレだった。
イルミネーションだって
すごくロマンチックだった。
プレゼント交換もしたし、
ぎゅってされたし。
お父さんのことなんか、
もういいやって思った。
でもそのたびに三角の帽子を
かぶったお父さんが浮かんだ。
だからじゃないけど。
私は彼と別れると、
家までの道を全速力で走っていた。

SE：
ガチャ

父：
おそいぞ！

娘：
ごめん。

父：
悪い子にはサンタさん来ないぞ！

娘：
ごめん。

父：
ごちそう全部食べちゃったからな！

娘：
ごめん。

父：
…もう高校生なんだな。

娘：
…ごめん。

父：
シチューならあるぞ！

娘：
ごめん。

NA（娘）：
おなかいっぱいなんですけど。
私はお父さんが温めなおしてくれた
シチューを食べた。
ゆっくりゆっくり残さず食べた。

NA（男）：
すべての家族に
あたたかいクリスマスを。東京ガス