松下電器産業 ナショナル愛妻号Day 中原誠の将棋盤篇 120 SE:駒の音
N(男)少年は将棋の勉強に打ち込んでいた。
人が眠っている間にも勉強して、強くなろうと思った。
しかし、少年の家は狭く、将棋盤を打つ駒の音は、家族の眠りを妨げることになる。
少年は、夜毎、音がしないように、そっと、そっと、駒を置いた。
SE:遠慮しがちな駒の音
N(男):家族に遠慮しながら、勉強する息子の姿は、母親には辛いものだった。
「一生懸命な息子の邪魔はしたくない。思う存分将棋を指させてやりたい。」
母は少年のために将棋盤を作った。
一枚のラシャの上に、一針一針、針を運んで筋をつけた布製の「将棋盤」。
息子が心置きなく駒が置けるようにと、母が考え出した駒の音を抑える工夫だ。
その将棋盤の上で、少年は静かに、しかし、存分にその才能を伸ばして行った。
少年の名は、中原誠。
永世名人、永世棋聖、永世十段である、あの中原誠である。
彼は名人になっても、家が広くなってからでも、夜中は、この布に駒を並べる。
中原誠:そうですね。この布がなかったら、ここまでやって来れたかどうか、分かりませんね。
N(女):一枚の布に込められた、音を抑える思いやり。
ナショナルは一枚の鉄の板に、同じ思いを込めました。
「制振鋼板」この音を抑える新しい鉄の板で洗濯機を包み込み
夜でも安心してお使いいただけるほど、静かなお洗濯を実現したのです。
静かな思いやり。
ナショナル 全自動洗濯機・愛妻号Day。

NO.7491

広告主 松下電器産業
受賞 ノミネート
業種 家庭電器・AV機器・コンピュータ・OA機器・通信機器・ビジネス用品・電信電話サービス
媒体 ラジオCM
コピーライター 田中昌宏
掲載年度 1990年
掲載ページ 203