サントリー オールド 祇園の話 150 SE:水をまく音~祗園の町
おばあさんの声:「おっちゃん、こっちや」
N:何や、あの棚グラグラするなあ。
どこの棚や。あのウイスキー置いてある棚や。
おっちゃん呼んでみてもらおか。
おばあさんの声:「ああ、歩き屋のおっちゃんのことやろ」
N:祗園町には、おっちゃんがひとり。名前は、さあ何やったか。
歩き屋のおっちゃんと呼ばれてはるおっちゃんがいてます。
SE:お茶屋さんへの道を教える声
N:おっちゃん、ちょっとお使いたのまれてくれるか。
おっちゃん、この棚なおしといてほしいねん。
男手の少ないこの街でお使いやら修繕やらなんもかんも引き受けて
お駄賃をもらうのがおっちゃんの仕事。
SE:祗園の路地
N:どこやらの2階に間借りして、家族も、あらへんようでした。
舞妓の声:「おっちゃん、おおきに」
N:おっちゃん、おおきにごくろうさん。お寿司よばれていって。
あちこちの家で、お寿司やお菓子何を出されても
へえ、おおきにて何でも食べていかはる。
おっちゃんは、ほんまは何が好きなんやろって
気にかけてくれる人もあんまりいてはらんようで。
そやけどある日、えらいこっちゃ、角の酒屋で
おっちゃんがウイスキー買うの見たっちゅう人があらわれましてん。
何や、おっちゃんウイスキー飲むんかいな。
そや、サントリーオールド買うとったで。
SE:玄関の扉~おばあさんの声「こんばんは」
普段は好きも嫌いも言えへんおっちゃんやのに
やっぱりほんまに好きなもんは自分で買わへんねんなあ
て、みんなホッと溜め息ついて何や胸ん中がちょこっと温うなったようでした。
SE:祗園町の宴会
よかったなあ、おっちゃん。
あったかい町のサントリーオールド

NO.6582

広告主 サントリー
業種 酒類・タバコ
媒体 ラジオCM
コピーライター 中山佐知子
掲載年度 1992年
掲載ページ 55