アリーナ
素顔の死・川谷拓三 150 NA:何発もの銃弾
「仁義なき戦い」追いかけら
れて蜂の巣。
「仁義なき戦い・広島死闘
編」モーターボートでひき
ずられた後、木に吊るされ
て射撃練習の的にされる。
「現代やくざ・血桜三兄弟」
日本映画最初の火だるまに
なる。
貴くん:これが僕の父です。
父は川谷拓三という俳優で
した。
18才のとき、はじめて死体
の役で出演してから、斬ら
れ役、殺され役を長いこと
やっていました。
NA:「現代やくざ・殺しの盃」タ
イトルクレジットの前に鶴
田浩二に撃たれて死ぬ。
「狂った野獣」バスジャックの
犯人として警官に包囲され
眉間に銃弾を打ち込まれる。
貴くん:そんな父の、素顔の死を見
たのは去年の12月、肺癌で
した。
父は痛いとも苦しいとも言
いませんでした。最後まで
戦いました。お医者さんも
驚くほどの気力でした。映
画の中のどんな死にざまよ
り父の素顔の死はカッコよ
かったと僕は思います。
NA:「トラック野郎突撃一番星」
台風で遭難。
「さらば映画の友よ」ショッ
トガンで女に撃たれる。
貴くん:僕は高校2年の頃から父
のビデオを集めていました。
母ちゃんが、父ちゃんは日
本一の役者やといって僕た
ちを教育したもんで僕はオ
トナになるまでそれを信じ
ていました。今でも僕は、
俳優川谷拓三のファンです。
たくさんビデオを持ってい
ます。目の前で本当に死ん
でしまった父が映画の中で
どんな死にざまを見せてい
るのかこれからじっくり研
究してやろうと思ってます。
NA:川谷拓三。
1995年12月22日、死亡。
昔のビデオも
きれいに見える
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業種 家庭電器・AV機器・コンピュータ・OA機器・通信機器・ビジネス用品・電信電話サービス
媒体 ラジオCM
コピーライター 中山佐知子
掲載年度 1996年
掲載ページ 151