サントリー京番茶　縁談...

サントリー京番茶　縁談
春の縁側で

ひろみ:いや、無理にすすめる気ィは、オバチャンにもないのエ。
そやけど、あんたかて大したベッピンやあるまいし、
エラそうなこと言えた義理やないわな。
そら、ま、その人の鼻は低い。
あんたの胸と一緒にペシャッとしてるがな。
そやけどな、鼻の低い分、月給が高いがな…
(と、耳元で囁く)手取りで…五十万…
葉子:この人…タイプやわァ…
白川女:花いりまへんかァ～　花や番茶いりまへんかァ～

夏の屋形船で

相手の男:納豆以外やったら何でも食べられるんですけど、
葉子さん、お好きなものは?
葉子:納豆です
ひろみ:え?いや…嫌いなもんでもだんだん好きになんのが夫婦エ
國雄:そや
ひろみ:夫婦っちゃうのは番茶みたいなもんや。
見た目はパッとせんでも、
飽きのこんとこがよろしいわなァ…
國雄:そやそや
ひろみ:ウチなんか二十年連れ添うたかて、
離婚の「り」の字も考えたことおへんエ
国雄:…
ひろみ:ダーリン?
國雄:そうや…
白川女:京番茶いりまへんかァ～

秋の客間で

ひろみ:あんまりベッピンさんすぎて、
自分にはもったいない言わはってなァ…
さち子:ま、断わる時は、そう言うわなァ…
ひろみ:ま、要するに、性格の不一致っちゅうのが、
先方さんのお返事やねんワ…
葉子:どうせウチなんか、一生結婚できませんワ…
ひろみ:まあまあ、そんなこと言わんと、羊カンでも食べよし…
國雄:いっぺんオッチャンと見合いしてみィひんか?
白川女:花いりまへんかァ～　花や番茶いりまへんかァ～

冬の神社で

茶子:オバちゃん、女は絶対、結婚しなアカンの?
ひろみ:いやァ、別にそんなことないけどな。
あんたとこの姉ちゃんみたいに鈍クサイ女が、
キャリアウーマンなんかなれる訳ないしな…
茶子:それも、そやな…
ひろみ:神さん、どうぞこの子の姉ちゃん、
結婚さしたっとくれやす。
男やったらヘチャでもアホでも、な～んでもよろしいわ…
(と、賽銭を投げ入れる)
茶子:オバチャン。十円では無理やと思うで
ひろみ:百円入れたがナ…
茶子:十円…
ひろみ:あ～寒いサムイ、サムイ…あ～、サム…
白川女:京番茶いりまへんかァ～　いりまへんかァ～
S:雁が音ほうじ入り
サントリー京番茶