小学館
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忘れもの 150秒 M:♪~
男性:それは、長い出張を終えて帰ってきた夜。
移動中に読んだらと妻が持たせて
くれた本を、私は結局読みもせず。
どうやら電車に置き忘れてしまった。
少し良心の呵責もあり、
翌日、仕事帰りに忘れ物管理所を訪れた。
SE:ギィィィ(扉を開ける音)
男性:扉をあけると、
年老いた駅員が小さく会釈した。
壁一面にはびっしりと、
薬だんすのような引き出しがある。
駅員:何を、お忘れですか。
男性:あの、本を。紺色のカバーで…
駅員:ここにある忘れものは、
みんなあなたを待っていました。
男性:と、いうと…?
駅員:この引き出しの中は、時計です。
こっちは、ああ、マッチだ。
SE:シュッ(マッチをする音)
男性:あの、タバコはもう…。
駅員:これは心を燃やす火です。
最近、ときめいてないでしょう。
男性:ときめくって、今さら…。
駅員:それから、こっちは…
ああ、「しん」でした。
男性:…えんぴつの?
駅員:いいや、冒険心です。
あんなにやりたいことがあったのに、
男性:…どこいっちゃったんですかね。
駅員:まあ、ときどきここにお立ち寄りください。
あなたが置き去りにした大事な物、
私がお預かりしていますから。
男性:あ、ちょっと!
私は、本を、本を忘れたんですよ…。
SE:トゥルルルル(駅のベル音)
車掌:…だからお客さん、
本は手に持ってますよ。終点です。
男性:目が覚めると、そこはあの日の、
電車の中。忘れたはずのあの本は、
私の手の中にあり、ページをめくると、
そこには小さなタイトルがあった。
…2010年の夏へ?
NA:あなたの心の忘れ物、
本の中にきっとあります。
今年は国民読書年。小学館です。

NO.33834

広告主 小学館
業種 マスコミ・出版
媒体 ラジオCM
コピーライター 薄景子
掲載年度 2011年
掲載ページ 466