日産自動車
ノート
低燃費少女ハイジ
第六話
285秒 S:低燃費少女ハイジ
第六話「フランクフルトへ」
ハイジ:セバスチャーン、セバスチャーン、
セバスー、チャーン、
セバスチャーン、セバスチャーン、
セバスー、チャーン。
クララ:大きな声出さないで。
耳が痛い。
セバスチャン:何ですかお嬢様、聞こえてますよ
ハイジ:フランクフルトは
あとどれくらいで着くの?
セバスチャン:そうですねえ。だいたい
クララ:まだ出発したばかりじゃない。
一緒に読書とお人形遊びを
あと何回かしてれば
すぐに着くわよ。
ハイジ:ほんと、楽しみだわ。
着いたらクララの家で
たくさんのテイネンピを
見るのよね。
クララ:そうね。
ハイジ:それが終わったら
近くの公園にいって
たくさんのちょうを採るのよね。
クララ:ハイジはほんとに
ちょうちょを採るのが
好きなのね。
ハイジ:あはは!
クララ:おじーさんとちょうちょ
どっちが好き?
ハイジ:………
クララ:そんなに悩むならいいわ。
どうでもいいけど、
外であなたのおじいさんが
走ってるわよ。
ハイジ:えー?あ、おじいさんだわ。
こんなところで
何してるのかしら。
ハイジ:おじいさーんなにしてるのー?
オンジ:ハイジー!ハイジー!
おじいさんだよー!
戻ってきて~!戻って~
カムバーック!
カムバックだよー!
何も言わないで出て行ったら、
おじいさん悲しむでしょーが。
まだ悲しんでいる
連中でしょうが。
わかるー?
フランクフルトなんて
もうあんなところ行ったら
また大変なことに
なっちゃうんだよー!
ハイジー!
ハイジはアルムにいるほうが
いいんだよー!
帰っておいでー。
ハイジ:クララ、
おじーさん何してるのかしら。
クララ:よくわからないけど、
必死な顔して何かを
訴えかけてるみたいだわ。
オンジ:聞いてください!
ハイジと話がしたいんです!
話を聞いてください
オンジ:はな!
セバスチャン:はな
オンジ:しを!
セバスチャン:おじょうさま、
鼻毛を抜いてくださいと
おっしゃってるようです。
クララ:え?
セバスチャン:鼻毛を抜いてください。
ほら。
クララ:あらやさ。
ハイジ。
あなたちゃんとおじーさんに
鼻毛出てますよって
言ってあげなきゃだめじゃない。
きっと何十年も放置したまま、
気が付いたら
鼻毛がたまってたんで、
その恥ずかしさから、
たまらず助けを
求めに来たんだわ。
髭か鼻毛か
わからないんだったら、
多少のリスクを負ってでも
鼻毛出てますよ
って言ってやりなさい。
ハイジ:おじーさーん。
クララ:おじーさーん。
セバスチャン:おじーさーん。
我々ではどうすることも
できませんので、
そちらで処理して
頂けますでしょうか?
鼻毛を処理するには、
それ専用のはさみですとか。
オンジ:え、なーにー?なんも聞こえんよ。
あのーいいからとりあえず
一旦止めてくださーい!
止めてー!
おじいさん一生のお願いです。
止めてー。列車止めてー
ハイジ:バイバーイ!バイバーイ!
オンジ:バイバイねー、
また一緒に遊んでねーってボケ!
バイバイちゃうわー!
止めてーって言う意味コレー!
止めてー!
そうじゃ!わしが苦労の末、
麓の村で買ってきた
ペロペロキャンデー!
これさえあえばハイジは
わしにクギ付けなんじゃ。
ほれ、窓開けたらほうびに
これやるぞー。
クララ:チョコもあるわよ。
ハイジ:おいしい。
オンジ:くそおー!行かないで
考え直すんじゃハイジ。
きっと後悔するぞ。
あとで帰りたくなっても、
すぐに帰って
これなくなるんじゃよ。
NA:そのあとおじいさんは
一ミリたりとも
窓を開けてもらえず、
悲痛な叫びを
ハイジに届けることが
叶いませんでした。
それでもあきらめられない
おじーさんは、
ただひたすらフランクフルトを目指して走り続けるのでした。
オンジ:ハイジー、ハイジー!

NO.33611

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業種 自動車・バイク・自転車・モーターボート・タイヤ・ガソリンなど交通関連機材とサービス
媒体 その他
コピーライター 本角雄一郎 江口貴博
掲載年度 2011年
掲載ページ 387