日産自動車
ノート
低燃費少女ハイジ
第五話
297秒 S:低燃費少女ハイジ
第五話「クララの誘惑」
クララ:ああ、逃げちゃった。
ハイジつかまえて。
ハイジ:ああ、あっちいくー。
クララ:わたし帰りたい。
ハイジ:えー?なにー?
クララ:フランクフルトに帰りたい。
ハイジ:どうしたのクララ?
クララ:この蝶々捕りいつまでやるの?
ハイジ:まだあっちの方にたくさんいるわよー。
クララ:ほんとだー。いっぱい蝶がいるー。
すごい蝶。もう嫌。
そりゃ最初の二、三日は
楽しかったわ。
でもこうも毎日蝶ばっかり
とってるとさすがに飽きるわ。
こんなに根こそぎとって
どうしようっていうのよ。
ねえ。
まさかこれ全部食べようって事じゃ
ないでしょーね?
油で揚げてバターをつけて、
バタフライですってね。
バタフライですって。
全然うまくないわ。
かわいい蝶も
こんだけの量になると逆に怖いわ。
ちょうちょうちょううんざり。
ちょうちょうちょうちょう
ちょううんざり。
ハイジ:やっほー!
クララ:聞いてるのって、聞いてるの。
ハイジ:やっほー!やっほー!
クララ:全然なってないじゃない。
ちょっとどきなさい。
やっほー、やっほーーーー!
はあ気持ちいい。
やまびこ。
ハイジもやってみなさい?
ハイジ:やっほー!
クララ:やっほー!
帰りたい~帰りたいい~
ハイジ:なんでそんなに帰りたがるの?
クララ:ソーセージ~、ソーセージ食べたいよー。
あたしドイツ人だから
ソーセージないと生きていけない。
あ~愛しのソーセージ~。
マスタードと一緒に
抱きしめてやりたいわ。
このクソ。
ハイジ:もうすぐお昼だから
小屋でおじいさんがおいしい干し肉を
たくさん用意して待ってるよ。
クララ:もうそんなのいいよおもお…。
私がアルムに来たんだから
今度はハイジが
フランクフルトに来る番だからね…
次はこっちに来てよね。
ハイジはアルム好き?
ハイジ:好きよ。
クララ:蝶々とり毎日してて飽きない?
ハイジ:飽きないわ。
蝶々大好きだもの。
クララはフランクフルトで
毎日何をして過ごしているの?
クララ:塾。
ハイジ:塾?
クララ:そう、塾よ。
学校よりもっと沢山
お勉強したい人たちが
集まる場所が塾っていうんだけど、
そこに行ってるの。
ハイジ:学校に行ってるんだから
そんなもの行かなくていいじゃない。
クララ:それじゃ足りないわ。
学校の知識だけじゃ全然でしょ。
バーカ。
ハイジ:山の子供達は
塾行ってる子一人もいないけど、
みんな普通に育ってるよ。
クララ:そりゃあ山の子は
それでいいかもしれないけど、
私レベルの都会っ子になると
それじゃあダメなのよ。バーカ。
知識と教養がないと
立派な大人にはなれないわ。
私は立派な大人になりたいから
日々努力して塾に通うようにしたの。
アルムの子供達が知らない事だって
私何でも知ってるのよ。
子供どころか、ヘタしたら
大人が知らないことだって
知ってるんだから。
この年にしては結構博識なんだから。
ハイジ:テイネンピって何?
クララ:へ?
ハイジ:テイネンピって何?
クララ:なにが?
テイネンピって何?
クララ:なにそれ。
ハイジ:クララはなんでも知ってるんでしょ?
大人でも知らないことでも
知ってるって言った。
だからテイネンピって何?
クララ:…え?やだ。
ハイジ、テイネンピ知らないの?
確かうちのお婆さんが一回だけ
過去にテイネンピって
言ってた気がするけど…
ハイジ:テイネンピ持ってる?
クララ:殆ど持ってる。
マジでビビるよ。
アタシは見たことないけど、うち探せば
結構あると思うわ。
サイズも揃ってるし。
あ~。ひょっとして
テイネンピ見たいんじゃないの?
なんだ早く言えばいいのに。
フランクフルトに来れば見れるわよ。
ハイジ:え、フランクフルト?
クララ:来ちゃいなさいよ。
特急でちょちょ~いよ
ちょちょちょ~いでしょ。
見たらすぐ帰ってくればいいじゃない。
ハイジ:でも蝶々遊びがまだ…
クララ:こんなんどーでもいいのよ!
もういい加減にしなさい。
ちょうちょやめて、もう、夢に出るわ。
こんなちょうちょばっかじゃ。
あんだけちょうちょ好きだったのに。
どうしてくれんのこの感じ。
行くの?もう行かないの?
NA:テイネンピを探すため、
急きょフランクフルトに
向かうことになったハイジ。
因縁の地フランクフルトで、
本当にテイネンピに
出会うことができるのでしょうか?
ハイジ:テイネンピってなーに?

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業種 自動車・バイク・自転車・モーターボート・タイヤ・ガソリンなど交通関連機材とサービス
媒体 その他
コピーライター 本角雄一郎 江口貴博
掲載年度 2011年
掲載ページ 387