二週間、水がなくても
生きていられる植物を探せ。 大和ハウス工業総合技術研究所の研究員Nは頭を抱えていた。グループ会社の大和リースから届いた「工場
や事務所向けの屋根緑化システムを開発してほしい」という依頼のためだ。屋根で緑を育てるには、いくつも
の困難がある。毎日世話をする必要がない植物を見つけること、問題は、土の重さ、屋根の積載荷重を考慮
すると、通常の土では荷重オーバーになる。保水力がない土では植物は枯れてしまうが、土自体は重くなる。
かといって、軽い土では風に飛ばされる。そんな矛盾した条件をクリアしなければならない。
Nはまず半月ほどなら水なしでも生きていける「ツルマンネングサ」にたどりつく。しかし、この植物は水
はけのよい土を好む習性があったので、「保水性と排水性兼ね揃えた軽量土壌の開発が絶対条件となった。
Nは百通り以上の配合を試したが、その開発は困難を極めた。
ある日のこと、Nは道端でこんな光景を目にした。それは、アスファルトにたまった薄い土の上に自生しているツルマンネングサの姿。たくましく生きる植物の姿がヒントになり、やがてNは「これだ!」という
土の開発に成功する。こうして数年をかけて完成した「ecoヤネ」は、その後さまざまなシリーズに発展していく。Nには、地球上を緑で満たしたいという野望がある。たとえば、壁面、光の届かない室内、トンネル。
あらゆる場所で緑を育てられたら、地球の光景はどんどん変わっていくだろう。Nの夢は尽きない。

未来を、つなごう We
Build
ECO

NO.32850

広告主 大和ハウス工業
業種 精密機器・産業資材・住宅・不動産
媒体 雑誌
コピーライター 岩崎亜矢
掲載年度 2011年
掲載ページ 202