「はやぶさ」からのメッセージが届いています。 私たちの夢は、2003年5月、鹿児島から打ち上げられた。惑星探査機「はやぶさ」とともに。小惑星イトカワから「何か」を持ち帰るために。
60億km、7年の笈。夢には試練が与えられる。燃料漏れ、エンジン故障、コントロール不能、通信途絶・・・。だれもが夢を疑った、しかし、試練は夢を強くした。
そして打ち上げから2592日目の6月13日。傷だらけの夢は「何か」を大切に抱きしめたまま、大気圏へ再突入。2万℃の高熱に耐え、地球に帰還した。
世界初、月以外の天体着陸と小惑星間の往復飛行に成功という手土産とともに、人々の不安は、喝采に変わった。
日本の技術が、世界にあらためて認められた瞬間。夢が残したカプセルが開かれた。お目当てのイトカワのかけらがそこにあるかはまだわからない。
でも夢は満足だった。「何か」を子どもたちの心に届けることができたらから。「何か」とは「信じるチカラ」だった。
写真は、地球に帰還した回収カプセル。()IHIエアロスペースは、カプセルの開発・製造を担当し、大気圏突入時の超高温から守るため
独自開発した耐熱材でカプセル本体を覆い、地球への帰還を成功させました。私たちは回収カプセルの他、
JAXA宇宙科学研究所と協力し、「はやぶさ」を打ち上げたM-Vロケット、「はやぶさ」に搭載された小惑星探査ロボット「ミネルバ」を手がけました。
「はやぶさ」プロジェクトへ、応援ありがとうございました。IHIはこれからも、あたらしい宇宙への挑戦をつづけます。

もうひとつ、地球をつくるとしたら。

NO.32841

広告主 IHI
業種 精密機器・産業資材・住宅・不動産
媒体 新聞
コピーライター 山田尚武
掲載年度 2011年
掲載ページ 200

山田尚武やまだ ひさむ

1997年入会