サントリー 響21年 歌う石 120 SE:鐘のような音。ふしぎな音。静かに鳴りはじめる。
N:これは、鐘の音ではない。
鉄琴の音でもない。
これは、サヌカイトという石を叩く音である。
この石は、今からおよそ3万年前、旧石器時代に石器の材料として使われた古い石。
SE:サヌカイトの音。やや旋律を帯びてくる。
N:まるで石が歌っているようだ。
3万年前の人類も、この音を楽しんでいたのだろうか…。
明治のはじめ、香川県の山を調査中の地質学者、ナウマン博士が、この不思議な石に注目した。
讃岐の国で見つかったので、サヌカイト、という名前になった。
この石が奏でる美しい響きは
博士をとりこにしたという。
とても石の音とは思えない、この透明な響き。
M:(サヌカイト、童謡「椰子の実」を奏ではじめる。)~
N:20世紀の私たちには、どこか遠いところから聴こえてくる音。
気の遠くなるような時間を越えてきた響き…。
SE:氷の音。液体を注ぐ音。音楽に重なる。
N:この音もまた、長い年月が作り上げた音。
何万年とはいかないけれど、
いいウイスキーには
確かに、遠い時間が流れている。
サントリーウイスキー、響21年。

NO.3203

広告主 サントリー
業種 酒類・タバコ
媒体 ラジオCM
コピーライター 古居利康
掲載年度 1998年
掲載ページ 49