思い立った日が、
父の日、母の日になる。 帰らなきゃ、とは思っている。
親もいい歳になってきた。
でも、こちらもいい年齢になってきて
仕事での責任も重くなり、
なかなか休むことができなかった。
現実的には、年一回、
四、五日帰省するのがやっとだった。
もし、これが十年続いても
単純計算で、四、五十日しか会えないことになる。
十年で一緒に過ごす時間が、
たった二ヶ月にも満たないのか・・・。
通勤電車を待つあいだに、そんな計算をしてしまった。
実家は、九州の南のほうにある。
故郷は、このレールの先にある。
会うたびに、白髪がふえていく父、
無視して帰らなくていいよ、といつも言う母。
が、目に浮かんだ。
これから先、僕は、
人生で何日帰省するのだろう。
その週末、僕は、つばめで故郷に降り立った。

つばめ。
旅する新幹線

NO.28609

広告主 九州旅客鉄道
業種 貨物運輸・旅客運輸(鉄道・船舶・飛行機会社)・観光サービス(ホテル・自治体観光ポスター)
媒体 ポスター
コピーライター 赤石正人
掲載年度 2010年
掲載ページ 232