人は、
書くことと、消すことで、
書いている。 消しゴムを使う人を見ると、あ、この人はいま、一生けんめい
闘っているんだな、と、なんだかちょっと応援したくなります。
自分の想いを、正しく、わかりやすく伝えるにはどう書けばいいのか。
それと真正面から向きあい、苦しみ、迷いながら、でもなんとか
前へ進もうともがいている。消す、という行為には、人間の
そんなひたむきな想いがこもっている気がしてなりません。
文房具づくりにたずさわって、まもなく100年。トンボは、
「書く道具」と同じくらい、「消す道具」を大切に育ててきました。
日本の定番と言ってもいい消しゴム。品質をみがくことで、
大きな市場を切り開いてきた修正テープ。そこにあるものを、すばやく、
美しく、カンタンに消し去ることで、この世にほんとうに
生まれて来なければならなかったものが姿をあらわしてくる。
消すことは、また、書くことでもある、と信じるトンボです。

トンボが動いている。
人が、何かを生み出している。

NO.20889

広告主 トンボ鉛筆
受賞 TCC賞
業種 化粧品・薬品・サイエンス・日用雑貨
媒体 新聞
コピーライター 岩崎俊一 岡本欣也
掲載年度 2006年
掲載ページ 69