エレベーターで、
ちょっと宇宙まで。 「宇宙にエレベーターで行けたら、便利ですよね」
トレンチコートの男は、空を見上げながらつぶやいた。
そういうSFって、たまにあるよなぁ。
そんなぼくの言葉を先回りするように、
「SFじゃないですよ」と彼。
「人工衛星からケーブルを下ろして、
地上とつなぐんです。シンプルでしょ?」
目を星のように輝かせながら、彼は話し続ける。
「問題は、そのケーブルをどうつくるか。
素材から開発して、その強度を宇宙で実験している最中なんです」
なんだか現実味がある。
いつか、高層マンションを上がるような感覚で
宇宙に行ける時代が来るんだろうか。
「うまくいけば、2050年頃には完成しているかもしれません」と言う。
2050年、家族旅行は宇宙へ。悪くない。
エレベーターなら、乗り物酔いするぼくでも大丈夫そうだ。
「すてきなパートナー、見つかるといいですね」
心を読んだかのような彼の言葉で、ふと我に返る。
宇宙エレベーターの計画を気にする前に、
まずは自分の人生計画、だよなぁ。

MAKE BEYOND つくるを拓く
大林組

NO.2022409

広告主 大林組
受賞
業種 精密機器・産業資材・住宅・不動産
媒体 雑誌
コピーライター 小川祐人 仲澤南
掲載年度 2022年
掲載ページ 394

小川祐人おがわ ゆうと

2015年入会