報道部/いま、テレビの現場から。 240秒 1 街頭篇

S:
テレビの記者をどう思いますか?

街の人1:
人のこと全然気にしてなさそう。

街の人2:
気にしないんだなって。たぶんなんかまあそれが職業だから。

街の人3:
とりあえずもう撮れればOK。

街の人4:
事実をあまり伝えてないんじゃないか。

街の人5:
被害者の人にあまりしつこく聞くっていうのは
気の毒かなって。

街の人6:
報道陣だから許されるって
思ってるんじゃないかな。

S:
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



2 現場篇

S:
いま、テレビ局の中で何が起きているのか。
東海テレビは、内側にカメラを向けた。

テレビ局員1:
どこ逃げたの。

テレビ局員2:
向こうに行って。

テレビ局員3:
ちょっと待って、こっちに教えてよ。

テレビ局員4:
やらない?

テレビ局員5:
やらないよ、もうできない。できない。

テレビ局員6:
できないよ。何も使えない。

テレビ局員7:
それ撮るなよ、また忙しいんだから

テレビ局員8:
もうできない、できない。

S:
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



3 聞き込み篇

S:
殺害事件を追う記者 岡山克平(27)

岡山:
どういった方だったのかっていうのをやっぱり知りたくて。

住民A:
ああ。

S:
被害者の情報を集めていた。

岡山:
お父さん、すいません。
私、あの、東海テレビで記者をしてる者なんですけど。

住民B:
あれ、なんであなたたち、実名出しちゃってるけど、大丈夫、あれ。

岡山:
まあ、警察のほうから報道発表がありまして。

住民B:
あんなばんばん流しちゃって、
今こうやって、あの、切られてさ、家族たまったもんじゃないよ。
報道の仕方さ、おかしいって。

岡山:
まあでも僕たちは、その、伝えることが仕事なので。

住民B:
伝えるっつったって。

岡山:
ご自身はどう思うかは、私はまったく。

住民B:
じゃあじゃあ、まあいいけど、私のほうはいいけど。

岡山:
ええ。

S:
仕事だから。
記者は自分に言い聞かせていた。

S:
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



4 葛藤篇

S:
記者として感じる、使命。

岡山:
ちゃんと事実を正確に早く伝えるっていうことが仕事だと思う。
どんなに批判されても、それが仕事だと思ってます。
遺族の方とかつらい心境にいる中でも、やっぱり、
どんどん突っ込んで聞いていかなきゃいけないんで、
まあ、それはやっぱりこう、正直しんどいし。
で、自分がたぶんその逆側の立場だったら、
絶対に記者としゃべりたくないって。

S:
人として感じる、うしろめたさ。

インタビュアー:
できればやりたくないのかな。

岡山:
うーん。うーん。

S:
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



5 未解決事件篇

S:
記者は、招かれた。
妻が殺された現場に。

記者:
ああ。

被害者遺族:
報道してくださいって言ったって、
そんなん、もう、
やってもらえるもんじゃないんで、こういう現場っちゅうのは、
殺人事件の現場っちゅうのは、本当に悲惨なもんだよっていうことがね、
記者さんだとか、分かってもらって。

S:
19年間 未解決

被害者遺族:
っていうのは結局、未解決だからですね。
どこ、どこで捕まるか分からないから。
もう取り上げてもらえなくなったらもう、風化せざるを得ないので。

S:
報道されなくなる恐怖と闘わせてしまっていた。
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



6 被害者の想い篇

S:
両親は殺害された。
被害者遺族

被害者遺族:
父親がうつ伏せで倒れていたと。母親も奥の部屋で、倒れてて。
被害者も伝えたい思いは持っていて、知ってもらいたいこともあるし。

S:
被害者のグループ結成 記者会見

被害者遺族:
立ち上げましたっていうことはやっぱり広めてもらいたかったんですよね。
ほかの被害者のために。報道してもらってすぐにファックス入りました。
私だけがなんでっていって思っている被害者の皆さんがたくさんおられたんだな。
私はつらい思いもしたけれど、助けられた、良かったという経験をしたので、
報道の必要性はあると思います。

S:
届かない声を、届ける力がある。
いま、テレビの現場から。
東海テレビ



7 記者の想い篇

S:
迷っている。
それでも、伝えつづける。

岡山:
たくさんの人にたぶん迷惑も掛けちゃってる部分が正直ある。
現場で怒鳴られたことなんて日常茶飯事で、見てもらう人たちにも、
そういう記者の思いがちゃんとそこにこもってるっていうのを、
どこまで伝わるか分かんないんですけど、
まあ、機械が書いてる原稿じゃないし、
人がちゃんと撮って、人がちゃんと書いてる原稿だし、
人がちゃんとつないでるVTRだから。

S:
いま、テレビの現場から。
東海テレビ

NO.2019092

広告主 東海テレビ放送
受賞 新人賞
業種 マスコミ・出版
媒体 TVCM
コピーライター 高阪まどか
掲載年度 2019年
掲載ページ 185