サントリー 企業
小林亜星のレクイエム いま流れているのは
サントリーオールドのテーマ曲です。
佐治敬三さんが亡くなった夜
僕の頭の中に流れてきたアレンジ…
いわば小林亜星の
レクイエムバージョンです。
思えばこの曲は
ずいぶん長く使われています。
前編のスキャットというのがモトの形で,
歌詞のあるCMソング全盛の,
当時としては冒険だったと思います。
でも、佐治敬三さんという人は
僕たちが冒険をする土壌を
いつも作ってくれていました。
まあ、開高健、山口瞳という両雄を
抱えていたんですから
僕のふたりや三人はまあ、
ちょっと体重があるといってもですよ、
ラクラク手のひらに
乗せられたんだと思います。
音楽屋がこういうことを言うのも
ナンですが
あの人は、ウイスキーを文化として考え
その文化を売るんだから
広告でも文化でなくてはならないと
決心していた人です。
僕たちにとっては、若さや輝きや勢いや
いろんなものの象徴だったのに
だから、引退しても生きててくれるだけで
よかったのに 寂しいなあ…。
佐治敬三さん
あなたが亡くなったと聞いた夜
僕はひとりでピアノを弾きながら
20年前のキャッチフレーズをひとつ、
思いだしました。
「誰がつくる、次の時代。
サントリーオールド」
さて、僕たちはのこされちゃったし
もうひと頑張りするかな。

NO.1969

広告主 サントリー
業種 酒類・タバコ
媒体 ラジオCM
コピーライター 中山佐知子
掲載年度 2000年
掲載ページ 56