松下電機工業 企業
もうすぐ22世紀 120 SE:(お茶の注ぎ)~
妻:ねえ、田中さんちまた床上浸水だって。
夫:え…また?大変だなぁ、あのあたりは。
妻:砂浜がほとんどなくなってから、
ホントに津波や高潮増えたわねぇ…
夫:うん。いまや海水浴も、アサリの
みそ汁も、懐かしい思い出だなぁ…
M:(やさしく)~
妻:いいわねぇ、アサリのみそ汁って、
私飲んだことないのよ。
夫:ええ?ほんと?…そうか、君の方が
だいぶ若いからなぁ。でも、知らない
ほうがかえって幸せかもな。
あのアサリの味…コシヒカリの味…
妻:コシヒカリは一度だけある。
でも、なんだかベタベタしてて、
あんまりおいしいと思わなかった。
夫:生まれたときからインディカ米
食べてるとそうだろうな…
東京が亜熱帯になる前は、
新潟あたりでも
栽培できたんだよ。
妻:へぇー…でも、なにがおいしいとか、
ぜいたくな話よね。
食べるものがあるだけでいいほうよ。
夫:まあな。とはいっても、
たまには近海物の刺し身
なんかも食べたいけど…
妻:いくらすると思ってんのよ。
夫:冗談に決まってるだろ。
妻:異常気象で作物が育たないし…
夫:昔は、思想とかで戦争したけど、
今は食べ物だもんな…
妻:あさましい…
夫:しょうがないさ。
昔、地球が養える人口は60億が限界
なんて言われてたんだぜ。
妻:今の半分以下か…
夫:(でも皮肉だよな、熱帯が…BG)
NA:それは、100年後の日本。
いま想像されている、
地球温暖化の影響です。
ナショナルは、温室効果ガスの
排出を削減するために製品の大幅な
省エネ化、リサイクルを、進めて
います。このシナリオを、少しでも
幸せに変えることができるように…
M:(やさしく、せつなく盛り上がる)~
妻:ねぇ、そろそろカウントダウン
始まるわよ。
夫:おっ。いいねぇ、いよいよ22世紀か…
なんだかうれしいな。こんな時代でも…
妻:どきどきするわね、どんな未来でも…
SE:(TVの中からカウントダウンの声)
二人:テン、ナイン、エイト、セブン、
シックス、ファイブ、フォー、
スリー、ツーワン、ゼロ!
SE:(歓声)~
NA:ナショナルです。

NO.1391

広告主 松下電器産業
受賞 審査委員長賞
業種 家庭電器・AV機器・コンピュータ・OA機器・通信機器・ビジネス用品・電信電話サービス
媒体 ラジオCM
コピーライター 福本ゆみ
掲載年度 2000年
掲載ページ 309