鉄矢の出生物語 150 N:(武田鉄矢)こんな顔した私でも、眠れぬ夜がございます。
SE:(グラスに氷の当たる音)
(武田鉄矢)オレの暮らしも変わったもんたい。思えばあれは6年前、竜馬めざして、ふるさと棄てた…。
M:~
N:(女)竜馬なんか、なれんかてよかとに。
N:(武田鉄矢)東京ぐらしは初めてのこと、メシ食うのも一人なら、牛乳飲むのも一人です。ビタミンCが足りなくて、なんだかヒザがふるえてた。夢ではおナカがふくれません。
一人暮らしの冷蔵庫、なんでもうまかった、あの頃は。
ようやく私に芽が出はじめて、気がつきゃ隣りに見知らぬ人が、軽いイビキで眠っています。その人初めて作ってくれた、料理はピザにスパゲッティ。それに晩酌日本酒でした。
妙におナカがはりました。
新婚時代の冷蔵庫、緊張しました。
娘が生まれたその夜に、博多のお袋電話をくれて、子はカスガイだと言ったきり、あとはなんにも言いません。きっと泣いていたんでしょう。
食い意地張った娘のために、ちょっと大きめこの冷蔵庫、買うちゃりました。
やっと手にしたこの冷蔵庫、見るたびやっぱり思います。まるでスーパーマーケットなのだ。
ふりかえるような年でもないし、まだまだどこへも行くつもり、それでもしみじみ思います、それでもつくづく思います。
棄てたふるさときれいに見えて、思えば遠くへきたもんだ。
M:(海援隊の唄)
思えば 遠くへきたもんだ
ふるさと離れて 6年目
思えば 遠くへきたもんだ
この先 どこまでゆくのやら
N:(武田鉄矢)まだまだこれから、これからたい。
N:ナショナル大型冷凍冷蔵庫 ザ・ビッグ。

NO.12654

広告主 松下電器産業
受賞 特別賞
業種 家庭電器・AV機器・コンピュータ・OA機器・通信機器・ビジネス用品・電信電話サービス
媒体 TVCM
コピーライター 林均 柴田麻三也 関谷宗介 宇和川泰道 安田匡裕
掲載年度 1980年
掲載ページ 42