バーテンダー 120 SE:BARのスイング・ドア開く音
酒場のガヤ、心地良いBGM流れて
―若い男女のカップル、入ってくる―
バーテンダー:いらっしゃいませ。何になさいますか?
お客1:あ、ボクちゃん、ブルドックね。ただのソルティと間違え
るなョ!ユリ、なんにすんの?
ブラディ・ユリ、ぬわんちゃって。ナハハハハ…
SE:シェイカー振る音
バーテンダー:こういう若いお客様を敬遠するようではプロの
バーテンダーとは言えないんです。私たちの知識、経験を
利用して、さらに深く、お酒の愉しさを知っていた
だけたら嬉しいなあ、と思います。
お客2:おい、こら。わいら一見の田舎モンや思て甘う見んといて
や。ボッたら、あかんでぇ~
バーテンダー:決して悪気はないんでしょうけど、気の弱い私など、こんなお客様の一言にドキッ!グサッ!ときてしま
います。どうぞお手柔らかに―
SE:再びフイング・ドア開く音
静かに靴音響き、BGM心地良く
バーテンダー:いらっしゃいませ。何になさいますか?
お客3:ドライ・マティニ。サントリージンをベースにして(ムッ)、
オリーブ二つ(できる)入れてください(シブぃ!)
SE:ジンを注ぎ、軽くステアする音
お客3:ホーッ!今どきこれだけのモノ、飲ませてもらえるなんてね。もう一つ、もらおうか。
バーテンダー:か、かしこまりました。
こんなお客様には、ついお勘定をまけてしましたくなる……。
バーテンダーだって人の子ですからね~!

NO.11375

広告主 サントリー
業種 酒類・タバコ
媒体 ラジオCM
コピーライター 中山幸雄
掲載年度 1982年
掲載ページ 260