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女の一生 140
(語りは、幼女の声からはじまり、
中年へ、やがて老年の声へと変化していく。)
「私は、厚いおふとんにくるまれて、
ちいさな虫みたいに眠っている。
初めてアルバムを見たとき、
これが私だって判らなかった…
(*夏の情景音)
この夏の行水は覚えていないのに、
金盥のにおいや、はたかれた天花粉の香りを
思い出すのはなぜだろう。
…厚ぼったい目で写っている七五三。
(*少女の泣き声?)
前の晩に、シロが死んだから。
かわいそうに思った父は人形を買ってくれて…
それがこの写真。すこしおすましして…
いつのまに、女はこんな表情を覚えるのだろう…
(*ピアノ練習)
ピアノを弾いている私。この頃、急に背がのびて…
母は、父の古い軍服を手直しして、
ワンピースを縫ってくれた。
しっかりしたサージの生地は痛まずに、
妹の写真にも登場する…
(*空襲)
戦争の頃の写真は、この家族の写真だけ。
そしてこれは…父の最後の写真になった…
♪~
戦後私はタイプを覚えた。
(*オフィス)
丸の内のBG。得意げな顔…
お見合い写真は…確か、母の着物。
その年から、私のアルバムは急に賑やかになる。
夫となった人が、写真が趣味だったから。
押入れにこもって現像までやって…
(*赤ちゃんの声)
長男、次男…
日本中を転勤で廻りながら…幸せだった…
子供の身長は、あっと言う間に私を越えた気がする。
夫は少し太り…私は少しやせ…今は白髪になった。
平凡かもしれないけど…そんな私が生きた証し…
写真よ、わたしの人生を、
いつか誰かに伝えてください。」
NA:かけがえのない時間を、
その写真は、覚えています。
写真からはじまったキヤノンの歴史。
映像を美しく残し、伝えたいという想いは
最新のデジタル機器に至るまで
キヤノンの製品、
ひとつひとつに受け継がれています。
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キヤノン。 

NO.2343

広告主 キヤノン販売
業種 精密機器・産業資材・住宅・不動産
媒体 ラジオCM
コピーライター 福本ゆみ
掲載年度 1999年
掲載ページ 203