リレーコラムについて

トイレ共和国

熊谷卓彦

フランスに、
外から中はみえないけど
中から外はまる見えという公衆トイレがあると聞きます。
トレビアン。これぞエスプリ。

イギリスには
ブリストンという街があるけど、
トイレとは関係がない。
第一ブリストルだ。少なくとも表記としては。

そしたら神戸のあるお店には
壁が水槽でできていて、
魚からまる見えというトイレがあるとか。
そこがお寿司屋さんだとしたら、ちょっと複雑。

するとインドネシアの
川の上に建てられた家のトイレはそのまま川に。
魚がすぐ食べてくれるんだそうで、
これは食物連鎖の小宇宙。

そういえばインドでは
左手と右手を必ず使い分けると聞くけど、
インドの料理を思うと
人間一人で宇宙を体現しているのかも。

21カ国共有の宇宙ステーションでは
掃除機のように吸い取ってくれるはず。
無重力状態では、行き先が決められないから。
落ちていくものと、決めつけちゃだめだ。

飛行機も吸い取るけど、
あれは機外に通じる弁を開けて気圧差で放りだすのかな?
空中で散解させちゃうとしても、
離着陸時は使用禁止だから、都合がいい。

中国の列車では線路が見える。
走っている勢いで粉砕するから、
停車時は使用禁止、であってほしい。
以前は日本の駅でも紙切れが目についた。

メモ紙一枚で始末する方法を教えてくれたのは、父。
紙の真ん中を小円にくりぬき指をいれて、指で拭く。
指は紙から抜きながら拭く。
くりぬいた小円は八つ折りにして爪のすきまを梳く。

トルコでは
紙がなくホースがついていて、
これで洗うのらしいのだけど、
どちらを利き手で扱うべきかで、迷う。

同じようにタイだと
水おけがおいてあって、
やはり指と水で洗うのだろうけど、
串揚げと同じで二度漬けは許されない気がする。

そう考えると、
ウォシュレットって偉大です。

でも、改めてウォシュレットってなにに使うんですか?
と聞かれると具体的には言葉にしにくい。
どうして赤ちゃんは生まれるの?
と聞かれるよりも、きっと。
生きものとして、贅沢な快感なのかな。

平安時代には金漆のおまるだってあった。
破れた恋を忘れるために、彼女のおまるを盗むなんて話も。
丁子や甘葛やらで作った、香りの良い偽物?をつかまされてますます懊悩。
ところでこの丁子という香料は本当に香りがよくて、薬効もあって、
ある商品にも使われているのだけど、こういう内容だからそれは書かない。

そして、日本人が考える夢のトイレに、
高い崖の上にあって、
たされた用は地に落ちる前に風となる、
というものがありますね。
散る時は、花火のように潔く。

噂では、ネパールにあるそうですよ。

では、また明日。

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