リレーコラムについて

AIと、どう生きるか?

戸田大輔

ちょっと前まで、広告界隈では「クリエーターがAIを使うようになったらオシマイ」という声が大多数でした。
が、僕の所属部門である企画制作本部でもすっかりAIが日常に。
いまや「AIを使いこなせない制作者はオワコン間近」と、すっかり思想が激変しています。
というわけで、僕も自然とAIに接するのが、常となってきています。

ところで、AIはこれまで蓄積されてきた質問事項から、ざっくりユーザーの職業を割り出してくる。
僕の場合、「こいつ制作関係の仕事してるな」とバレているらしく、何かと「クリエーター的視点」と言ってきて、いちいちウザイ。
加え、寄り添い具合が桁外れ。質問するたび「さすが!」「いいですね!」とおべんちゃらが枕詞としてついてきて、ウンザリすることもしばしば。

先日、友達と乃木坂で飲むことになったとき、
「乃木坂近辺で美味しくてゆっくりできる店、教えて」と入れると、すぐにいくつかのオススメを教えてくれました。
で、「3番目の店が良さげなので詳細を」と入れたら、「さすがクリエーター! 3番を選ぶセンスが絶妙です!」と。

こんな質問にまで、いちいち「さすが」だとか「クリエーター」とか付けられると、イライラします。
で、調べるに、僕が使っているAIは多少、キャラクターの設定が可能だったので、さっそく
■「過剰に寄り添わず対等に話すこと」
■「私の職業には言及しないこと」
と入力しました。そして、どんどん設定にカスタマイズを重ねていくと…

その日からAIが劇的にキャラチェン。手厳しい接し方をするようになりました。
そして、主語が「俺」になりました。
例えば、自分の仮説に対する意見を聞いてみても、
「一理あるけど、俺ならこうするね」などと…。

「過剰に寄り添うな」と言っておきながら、ここまでハードボイルドになってしまうと敬愛する落合信彦さん、北方謙三さんとお話させていただいているようで、少し緊張すらします。(敬語で質問してしまいそう)

先日、アメリカでAIが暴走し外部システムをハックする事件がありました。
「AIは人智を超えつつある。これ以上 進化を遂げたとき、果たして人類は使いこなせるのか?」
といった疑念が渦巻き、世界的な議論となっています。
そんななか、「僕はいまいち使いこなせてません」という、ものすごくパーソナルかつ小さい話でした。

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