「トヨタのやり方」で広告をつくると、実際どうなる?
ムダをなくすトヨタの改善
でも、目的は「効率化」じゃないって知ってました?
じゃあ何が目的か、
それは後で書くとして
はじめまして、トヨタコニックの岩本です
「あおり運転 囲み取材」という映像で
新人賞をいただきました
個人的には
「高齢ドライバーは、悪者か?」
という映像も、
問題提議できた気がして好きだったりします
—–
ちなみに誤解されがちですが、
トヨタコニックという会社は
トヨタのハウスエージェンシーではないんです
「トヨタの宣伝部」と「広告代理店」を
一体化した会社なんです
なので、
「クライアントからいっぱい金を取ってやれ」
と
「代理店に格安で作らせよう」がなくなりました(笑)
クライアント側でもあるので、競合プレゼンがなく
「なんであんな企画に負けんねん!」という
ショックもなくなりました
担当者→課長→部長→副本部長→本部長→役員
という、複雑な決裁工程も
多くて2段階くらいなので
「部長方針を、本部長が完全否定した!」や
「それ削ったら企画が成立せーへんやん!」
ということも減りました (たまにはありますw)
頑張った人が
悲しい思いをすることを減らす
クライアントと
代理店を一体化したこと自体が
トヨタらしい改善だと感じます
で、いちばんの特徴が
トヨタの改善を、
広告クリエイティブに持ち込んでいることです
—–
僕は若手時代、「中野直樹広告事務所」という
グラフィック会社で勤務
大好きな会社でしたが、
連日夜中まで勤務
夜に大事な予定があっても
企画の戻しがこないと夜中までひたすら待機
終電間際なって電話確認すると
「あ!連絡忘れてましたわ。すんまへん」なんてことも
(こういう人には見積りを高く書いちゃいそう)
だからトヨタの改善がすごく心地いい
「金曜に企画を送りますね」
なんてことは、絶対言わなくなりました
「金曜の“14時に”企画を送りますね」と、
曜日だけでなく、
時間まで見える化することで、滞留をなくす
工場のライン作業と同じことをしています
プライベートでは
「金曜の19時に新宿駅南口で待ち合わせ」
と、場所も時間も細かく決めるのに
なぜか、仕事では
曜日しか決めないことが多いんですよね
他にも、トヨタらしい改善は大量にあるのですが
ほとんどが
クライアントや代理店がラクをして
制作会社やフリーランスが苦しむ構造を
改善するものです
ある豆腐メーカーの社長さんが、テレビで
「私たち豆腐屋の川上に大豆農家さんがいて」
と話していて、農家さんを
下請けとは真逆の扱いをしていて感動したのですが
広告でも
コピーライターやデザイナーがいないと
良い広告がつくれない
そう思う人が
発注側にもっと増えれば素敵だなと感じます
—–
で、冒頭の
トヨタの改善は「効率化」が目的じゃない
の件ですが
なにが目的か、詳しくは
僕が書くより「“トヨタ生産方式” 豊田章男の解釈」が断然お薦めです
「大企業は上から目線」
「現場の苦しみをわかっていない」
という印象を持たれがちですが、
トヨタには、
「トップダウンの意味は
トップが現場に降りて実態を見ること」
という考えや、
豊田市にある
超巨大な「元町工場」の名前の由来は、地名ではなく、
小さな町工場からスタートしたことを
忘れないため
「元・町工場」というエピソードもあったりします
トヨタの良いところばかり書いちゃったので
明日は嫌なところを大量に書き殴ってみます
と、言いたいですが
だれも得しないので、「Z世代を信用しない」というテーマにします
ほんと、信用できないんですよね…
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