誘惑
子どもの頃から読書感想文が苦手で。
(みんなそうだと思いますが)
もう嫌で嫌で。筆がまったく進まなくて。
あれって、なんで全然書けないかというと、
先生の存在がチラつくからだと思うんですよね。
ちゃんとしたこと書かないと。
褒められそうなこと書かないと。
という呪い。
正しさとか、それっぽさに縛られて、
結局思ってもない言葉を苦行のように絞り出す。
小学生の頃、何かの間違いでクラス代表に選ばれて
みんなの前で朗読させられたことがありました。
先生に褒められて誇らしくはあるんだけど
自分の白々しい言葉が、子どもながらに気持ち悪くありました。
なので、ごんぎつねは今でもなんか苦手です。
磯島さんもご自身の本の中で
「『いいこと』よりも『ホントのこと』を心がけた方がいい」
とおっしゃっていますが、
本当にもうおっしゃる通りすぎて。
いつになったら
見栄とか、優等生ぽさとか、安易なそれっぽさから
自由になれるのか。
「いいこと言おう」の誘惑。
思えばこのコラムもその誘惑との戦いでした。
(5回分、長かった・・・)
次週は、
そんな誘惑からは早くも自由に羽ばたいている(ように見える)
サーダティ偉伊佐くんにバトンを渡します。
彼はストプラ時代に共にクリエイティブへの職転を志し、
昨年奇遇にもTCC同期となったソウルブラザー。
サーダティくん、よろしくお願いします。
読んでくださったみなさん。
5回の連載コラム、ありがとうございました。