リレーコラムについて

無趣味の果ての餃子

藤田卓也

趣味がありません。

 

あれ、もしかしてこのままだと退屈なおっさんルート?
それとも仕事が趣味になって将来家族に呆れられるルート?
一念発起していろいろ手を出してみたのです。
サーフィン、盆栽、料理、利き酒、お取り寄せ、瞑想、
イラスト、キャンプ、音楽ライブにフェス、
将棋、俳句、DJ、カメラ、ドライブなどなど。
色々見ちゃうと今度は選べないんですよね。(優柔不断)

 

雑学とかトリビアとか、豆すぎる知識を脳内に並べるのは好き。
そして東京は美味しいものにあふれている。
じゃあ食べ歩きにしよう。

でも飽きっぽいのでその対策はしておきたい。
期間を決めて入れ替え可能なフレームにしよう。
そして唯一趣味に近い、SNSに絡めよう。

 

こうして始めたのが「年間テーマを決めて食べ歩く」という趣味です。
食べたものはどんどんインスタグラムにアップしています。
趣味ってこんな作為的に生みだすものじゃない気もしますが。

 

2015年からやんわり始めまして、最初はオムライス。
16年がとんかつ、17年は麻婆豆腐、18年は日本のカレー。

 

そして今年は餃子にしました。
https://www.instagram.com/fgta9/

 

 

これ、優柔不断にすごく優しいシステムでして。
飯どきがやってくれば近所の中華を探すだけ。
職場だろうがロケ地だろうが編集スタジオだろうが、基本これ。
うだうだと悩む時間はゼロになりました。

かのスティーブ・ジョブズが毎日着る服を決めていたのと同じですね。
結果、金運は上昇し宝くじに当たるようになり女性にはモテるようになり
札束のお風呂でウハウハな生活になるといいんですがそれはまだです。

 

毎年テーマを決めると雑誌や本、ネットでそのジャンルを調べます。
すると知らなかったことがいっぱい出てくる。

・住所非公開、会員制の餃子屋がある

・かつて新宿には餃子で名を馳せた伝説の主婦がいた

・日本で初めて餃子を食べたのは水戸黄門こと徳川光圀

・タモリさんのオリジナルレシピと言えばカレーが有名だが餃子もうまい

 

きっと餃子と向き合わなければ一生出会うことのなかったであろう知識たち。
そして新しい店を訪れるたび新しい餃子に出会える。
どのお店もものすごく個性的なんですよ。

だからなのか、今年は始めてひと月も経っていませんが早くも13軒です。
さらにインスタにはアップしてませんが持ち帰り餃子を買ったり焼いたりしてます。
このペースだと今年220軒の餃子を食べることになるようです。
もう無趣味とは呼ばせないぞ、という意気込みが極端に発揮された形です。
最近ではメディアの取材も来るようになりました。プレッシャーだわ。

 

ちなみに日本でいちばん高い餃子は麻布十番・登龍のひと皿5個2,000円(!)でしたが
2018年にオープンした六本木・餃苑わさはひと皿6個2,400円(!!)です。
砂金でも入っとるんか。
誰かぜひ一緒に行きましょ。

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