リレーコラムについて

在日韓国人とアイデンティティ

有本久美

ダーリンは中国人の小森谷さんから
バトンをおあずかりしました、
ダーリンは韓国人の有本です。

次のコラムどうですか?って、
メールいただいてからずっと
1週間、何を書こー。
人様に読んでもらうような
面白い毎日は送ってないぜー。
まいった。
と思ってたんですけど、
せっかく小森谷さんから
旦那ネタでご紹介いただいたので、
まずは主人の国である韓国のお話で
いかせていただきます。

1週間お付き合いのほど、
宜しくお願いいたします。

イキナリですけど、
民団(みんだん)ってご存知ですか?

正式名称は、在日本大韓民国民団。
(ざいにっぽんだいかんみんこくみんだん)
長い。噛みそう。だから略して民団。

そうです。うちの主人は在日韓国人。
国籍は韓国だけど、
大阪で生まれ育った生粋の関西人です。
でもチヂミが嫌い。
韓国人なのに。
しかも粉物天国の大阪出身なのに。
どっちの要素も兼ね備えた
チヂミが嫌い。なんでやねん。

あ、どうでもいいこと書いちゃった。
民団の話です。

私も主人に出会うまで
民団の存在を知りませんでした。

在日韓国人の方にも知らない方は
いっぱいいるみたいなのですが、
実は70年くらい歴史ある、
全国で50万人もの在日韓国人の
会員がいる組織です。

で、なにやってる組織なの?
といいますと…
在日韓国人が日本でより生活しやすいように
在日同士の親睦を深めたり、
自分のルーツをちゃんと知るための
韓国の歴史とか文化、韓国語を勉強したり、
その他にもいろいろ…
パスポートの申請なんかもできるのです。

主人は大阪にいた大学生の頃から、
この民団の傘下団体である
在日本大韓民国青年会(これも長いから略して青年会)
という組織に、ずっとお世話になっていました。
会員としてだけじゃなくて、
自ら活動する執行部というところに所属して。

でもこれ、仕事じゃなくてボランティア。
青年会では、韓国人の若者が集まって、
子供たちをキャンプに連れて行ったり、
日韓交流のお祭りでビールとかサムギョプサル売ったり、
日本人もビックリの超本格的な流しそうめん大会やったり、
なんやらかんやら、いろんな活動しているんですが、
ぜんぶ土日のボランティアなんです。

楽しいことばっかりだったらいいですけど、
イベントに向けた真面目な会議とか、
経費のやりくりとか、精算とか、
その他いろいろ全部休みの日にやるんです。
もはや仕事やん。
これ、すごくないですか?

正直、土日はゆっくりだらだら本でも読みたいわ~
という、これといって趣味もなーんもない私にしたら、
青年会の活動を10年も続けている主人が
最初は変人に見えました。
すみません言い方が悪いですね、
変わった方だわーと思いました。

それに彼女としては(当時は彼女)
土日かまってもえないのは不満なわけです。
土曜日なのにまた会議かよ、かんべんしてくれよ、と。
心の中でブーブー文句言いました。
いや、口に出しても言いました。

それで主人が考え出した策は、
巻き込んでしまえ!
策でもなんでもない。

とにかく私を青年会の活動に
時間の会う限り、少しずつ
参加させてくれるようになり、
そんな経緯で、私にはすごい勢いで
たくさんの在日韓国人の友人ができました。

それまでずっと疑問だったのは、
なんでわざわざ在日同士で集まるんだろう
ってこと。

だって、ひと昔前にくらべたら
在日韓国人が日本で生きていくのは
すごく楽になったんじゃないかと思うんです。
就職だって結婚だって比較的普通にできるし。
普段の生活で、あからさまな差別を感じる
在日韓国人の20代は、どれくらいいるんだろうって。

それは、きっと民団の先人たちのおかげ。
ただ、今の在日の20代たちが、
わざわざ集う必要ってあるの?って。

でも、私もその輪の中に入った時、
初めて分かった気がしました。

何を思ったかって、
あ、私日本人だったわ、って思ったんです。
それは別に疎外感を感じたとかではなく、
自分のアイデンティティの一部に
国籍が確かに存在しているなって。

私は日本人で日本に生きてきたから、
国籍マイノリティって今まで感じたことなくて、
それ以前に、自分は日本人である!
なんてあんまり意識したことも
考えたこともないんですよね。

でも、青年会の仲間の中にいると
そうか、私は日本人なんだ、と思うんです。
青年会の中では、私がマイノリティだから。
他を意識して初めて自分を自覚するというか。

そして、マイノリティ同士が仲間になって、
同じルーツを持った人たちがどんどん出会って
仲良くなったり、仲間がいることで、
自分のルーツを大切にしようと思って
生きていくって素敵だな。と思ったんです。

青年会の友人は、在日韓国人として
日本に生まれたことを誇りに思う
って言っていました。

日本人は「日本人として」とか
あんまり言わないけど、
私も日本人であることを誇りたいな
と思わせられた出会いでした。

それではまた明日。

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