リレーコラムについて

受賞おくれて、ごめんなさい。

長谷川哲士

いい仕事ができた。

だけどもう、あの人はいない。

おいしい焼肉を食べた。

だけどもう、あの人はいない。

コピーの賞をもらった。

だけどもう、あの人はいない。

1億円当たった。

だけどもう、あの人はいない。

“だけどもう、あの人はいない。”

この言葉をつけると、
どんなハッピーなコトも、
むなしくなってしまうことに気づいた。

思考を止めるな。

足の小指をぶつけた。

でもきっと、あの人は見てくれている。

サイフを落とした。

でもきっと、あの人は見てくれている。

コピーの賞をもらえなかった。

でもきっと、あの人は見てくれている。

大切な人を亡くした。

でもきっと、あの人は見てくれている。

“でもきっと、あの人は見てくれている。”

この言葉をつければ、
どんな不幸なコトも、
なんとか耐えられる気がする。

2009年の冬だった。

リーマンショックで
部署がつぶれちゃって
「やべぇぞ〜」と感じて
コピーの賞を獲ろうと決意。

バッティングセンターと
映画館のポスターをつくった。

足を運んだほうが
いい結果が出る気がして、
夜行バスに15時間乗って
福岡のコピーの審査会へ。

あの人が、2つとも、
票を入れてくれたおかげで、
ダブル受賞。

審査会の後、
本にサインをもらった。
判子まで押してくれた。

その後の飲み会で、

物に当たるより、
球に当たるほうが、
平和ですよ。

というコピーは、

命をとられるより
血をとられるほうが
いいですよ。

をお手本にしました…。

と言うと、笑ってくれた。

でも、そこから、
新人賞が
なかなか獲れなかった。

ちょっと哀れなきもちで、
受賞もしてないのに
授賞式のパーティーに行くと、
うしろから、
ぼくの肩に手を置く人がいた。

その人は、
笑顔でうなづいた。

何もしゃべらず、
ただうなづいた。

冬ではなく、
春で終わりたい。

と言っていたのに、
冬にいなくなってしまった。

受賞するのが
おそくなって
ごめんなさい。

5日間、読んでくれた方、
5回分、まとめて読んでくれた方、
ありがとうございます。

さぁ、月曜日からは、
児島令子さんのコピーが読めるゾ。

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  株式会社コピーライター
  http://copywriter.co.jp/

  コピーライターのみなさん、
勝手に代表になって、ごめんなさい。
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NO
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